何か事業を始める際や、進めるにあたって、必ず目標を設定することと思います。
ですが、目標を設定してそのまま放置していては意味がありません。
その目標をどの程度達成できているのかを確認していく必要があります。
また、単に目標と現状の違いを把握するだけでなく、現在の状態からどのようにすれば理想のかたちに近づくことができるのかを考えていかなければなりません。
本記事では、現状と理想の違いを把握し、その差を埋めていくにはどうしていけば良いのかを考えていくフレームワークである、ギャップ分析について解説していきたいと思います。
ギャップ分析とは?
ギャップ分析の「ギャップ」とは、「GAP」すなわち「差」のことで、経営状態や事業の進捗状況などの現状と理想の「差」について詳しく見ていくフレームワークになります。
KPI(Key Performance Indicator 重要業績評価指標)のように数値的に評価できるような目標を設定した方が現状と理想のギャップは掴みやすいです。

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分析する内容によっては数値化が難しい場合もありますので、必ずしも具体的に数字で見ていく必要はありませんが、クレームの件数やアンケート結果などを用いて、数値化が難しい内容でもできるだけ数字で評価できるような形に持って行った方がその後の分析がスムーズに進みます。
理想と現実のギャップを把握し、その差を埋めるためにはどのような対策をすればよいのかを模索していくフレームワークがギャップ分析です。
ギャップ分析によって改めて浮き彫りになった課題を分析し、ギャップの解消のためには具体的にどのようなことをしていけば良いのかを検討していくというのがおおまかな流れになります。
チームの中だけで考えているとどうしても行き詰まることがあるかと思いますので、客観的に理想との距離を確かめたい時に有効です。
ギャップ分析の進め方
次に、ギャップ分析の進め方について解説していきたいと思います。
理想・目標を設定する
まずは、分析を進めていきたい事業分野を決めて、それについて目指すべき理想の状態や目標を設定しましょう。
ほとんどの場合はKPIなどの数値化された目標を設定しているかと思いますが、数値化が難しい項目については、アンケート結果の分析などで数字に落とし込んでいくか、もしくは客観的な評価が可能な明確な評価基準をあらかじめ作ったうえで理想の状態や目標を設定していきましょう。
現状を把握する
次に、現在の事業の状態を把握しましょう。
このとき、漠然と事業の様子を上げていくのではなく、目標設定と同様、数値化するかもしくは評価基準に則って客観的で明確な分析をしていくのがポイントになってきます。
マーケティングリサーチやお客様アンケートの結果を積極的に収集していきましょう。
ギャップを発見し、解決策を講じる
理想や目標を設定し、現状を把握したら、いよいよそれらのギャップに注目していきます。
1や2の段階で、数字で評価しているとこのステップがすごく楽になりますし、視覚的にも捉えやすいので、できれば数値化してから分析していくことをおすすめします。
具体的なギャップの大きさがわかったら、それを埋めていくための解決策を講じていきましょう。
この段階では、ぼんやりとしたような内容で構いませんので、なるべく理想や目標に近づけていくためにはどうすれば良いのかを考えていきましょう。
ギャップを埋めるための具体的な計画を立てる
さいごに、3で講じたギャップを埋めるための解決策から、実行可能な計画を練っていきます。
部署やチーム全体で課題を共有し、どのようなことが現実的に問題解決策として有効であるのかを考えていきましょう。
ギャップ分析を行う際のポイントと活用法
ギャップ分析を行う際のポイントとしては、目標設定や現状把握の過程において、マーケティングに関するフレームワークをうまく活用していくということです。
PEST分析やSWOT分析などを用いて、内部環境や外部環境について分析することで、ギャップ分析を行うべき事業分野などを選んでいきます。

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ギャップ分析の結果を把握するために、数値を図に起こしていったり、グラフにプロットしていったりすると視覚的に把握することができ、さらに状況が理解しやすくなります。
また、ギャップ分析を活用する場面としては、自社の強みとなるようなところが今ひとつわからないときなどに用いると良いでしょう。
社員が感じている事業の状況と、客観的に分析した現状は異なることが多いです。
事業について行き詰まりを感じた際には、ぜひギャップ分析を活用してみてください。
まとめ
ギャップ分析について解説しました。
理想や目標と現状の「差」つまりは「ギャップ」を分析していくフレームワークであるギャップ分析は、ほかのフレームワークとも併用することで、自社の現状や進捗を客観的に認識することができます。
事業で行き詰まりを感じたら、ギャップ分析を行ってみてはいかがでしょうか。