少子高齢化が叫ばれるなか、ホテルや旅館をはじめとする宿泊業界においても、シニア世代はしっかりと抑えておきたいターゲットのひとつであると思います。
シニア世代はインターネットには疎く、時間的、または金銭的な余裕があるという従来のイメージは今でも通用するのでしょうか?
本記事では、現在のシニア世代の実情と、ホテルや旅館のシニア世代に向けたアプローチについて解説していきます。
シニア世代について
一般的には50代半ばくらいから「シニア世代」と呼ばれる年齢に突入すると言われていますが、50代や60代はまだまだお年寄りとは言えないのではないのだろうかと思う人も多いと思います。
現在、多くの企業では60歳ではなく65歳を定年としており、70歳近くまで元気に働いている方も珍しくはありません。
従来の「シニア世代」と呼ばれるイメージと、現代のシニア世代の実情とには、大きな差異があると言えます。
「人生100年時代」とも言われていますから、シニア世代は決して引退して穏やかに過ごすことを望んでいる世代ではなく、むしろもっと働いたり趣味に力を注いだりしたいと思っている方も多いと考えるべきでしょう。
新しいものごとを学ぶことにも積極的な方も多いですから、インターネットリテラシーが必ずしも低いとは限りません。
ホームページやOTAなどによる広告や予約システムには効果があると言えますが、SNSの利用率は決して高いとは言えないので、SNSでの宣伝にばかり力を入れるのは得策とは言えません。
シニア世代は、全体的に旅行に対して趣味の延長のようなものを求める傾向にあり、何かの講座や芸術鑑賞、散策、宿での滞在そのものなど、ゆったりと旅を楽しみたいという方が多いようです。
また、シニア世代とひと口に言っても、価値観やライフスタイルによって旅行の目的も消費傾向も全く異なります。
ここでは、行動力と金銭的余裕がある「アクティブシニア」、生活に困ることはないが将来に対して漠然とした不安を抱える「ノンアクティブシニア」、介助がないと日常生活を送ることが難しい「パッシブシニア」に分けて見ていきたいと思います。
各グループの特徴
アクティブシニア
アクティブシニアとは、金銭的、時間的な余裕があり、積極的に活動しているシニア世代の方々のことです。
従来のイメージ通りの「シニア世代」に最も近いタイプであると言えるでしょう。
ですが、自ら積極的に行動することが多いタイプなので、インターネットなど、比較的新しいテクノロジーも抵抗なく学んで使いこなす方が多いです。
宿泊予約もOTAや自社の予約サイトを駆使して行う方がほとんどなのですが、やはり若者向けの宿泊予約サイトよりは予約完了までの流れをわかりやすく誘導したり説明したりする必要があります。
ノンアクティブシニア
ノンアクティブシニアは、アクティブシニアよりは家族や自身の今後に対して不安を抱えていて、比較的穏やかな生活を望む傾向にあるタイプです。
しかし、大きな病気や身体的障害などを患っているわけではないので、行動に大きな制限はありません。
ノンアクティブシニアは、旅行意欲などはありますが、アクティブシニアよりは消極的なタイプであるとみていいでしょう。
インターネットの利用などのデジタルリテラシーも、アクティブシニアに比べると全体的に低い傾向にあります。
パッシブシニア
パッシブシニアは、大きな病気があったり身体的に障害があったりして、誰かの介護なしでは日常生活が送れない方のことを指します。
もちろん旅行先でも介護が必要なので、宿泊できる施設や見て回ることができる観光地が限られています。
各グループへのアプローチ
アクティブシニア
アクティブシニアのタイプの方は、金銭的、また時間的に余裕があるので、長期間の滞在が可能で、ある程度贅沢ができます。
滞在中のアクティビティにも積極的に参加する傾向にあり、周辺観光においても自分で事前に調査して巡る場所を決める方が多いです。
また、インターネットの利用などのデジタルリテラシーが高い方が多いので、広告や宣伝もインターネットで大きな効果を得ることができます。
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ノンアクティブシニア
ノンアクティブシニアのタイプの方は、家族や自分の将来のためにお金を貯蓄している方が多く、また家族と過ごす時間も多いので、アクティブシニアの方に比べると旅行にも消極的です。
しかし、体は健康なので、のんびりとマイペースに旅行を楽しみたいという方が多いです。
ホテルや旅館のなかでゆっくりと楽しめるアクティビティを用意しておくと良いでしょう。
また、インターネットなどのデジタルテクノロジーに慣れ親しんでいない方も多いので、アナログ広告も有効です。
パッシブシニア
パッシブシニアの方は、誰かの介護がないと旅行を楽しめません。
ですが、介護をする方も介護をされる方も楽しめるような企画をホテルや旅館側が用意することはできるでしょう。
また、バリアフリーに適応した設備も必要です。
まとめ
シニア世代へ向けたホテルマーケティングについて解説しました。
増え続けるシニア世代の顧客も獲得できるようにしましょう。
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