何か新しい事業を打ち出す際、それが成功するか否か、成功するためのポイントはどこにあるのかを考えておくことは非常に重要です。
また、自社の強みと弱みを掘り下げて理解しておくことは、ホテルマーケティングにおいてとても大切です。
本記事では、成功要因を探るために使われることが多い3C分析について解説します。
3C分析とは?
3C分析の3Cとは、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つの頭文字を取ったものです。
これら3つを分析し、自社の強みと弱みについて知り、他社と比較して自社が優位に立てるポイントを見つけ、マーケティング戦略を立てるのに役立てるためのフレームワークが、3C分析と呼ばれるものです。
3C分析で見ていくのは、主に市場の環境です。
どんな顧客がいるのか、どんな競合相手がいるのかを分析することで、今自社が身を置いている市場の状態を知り、自社を分析することで市場に対してどのようにアプローチしていけば良いのかが見えてきます。
マーケティングの方向を決定することは、マーケティング戦略の立案過程のなかでも最も重要なプロセスであると言えます。
3C分析を行うことによって、マーケティングをどのように行うのかという方向性をはっきりさせ、その後の戦略立案をスムーズに行えるようにしましょう。
3C分析の手順
では、3Cのそれぞれの要素の概要と、分析の手順について見ていきましょう。
Customer(市場・顧客)
市場や顧客の要素では、市場の規模やこれからの盛衰について、また顧客が求めるニーズについて分析していきます。
この分析の際には、マクロな視点から俯瞰的に全体の流れを把握することと、ミクロな視点から細部について詳しく調査していくことの両方が必要になります。
マクロな視点からの分析にはPEST分析(P=Politics(政治)、E=Economy(経済)、S=Society(社会)、T=Technology(技術))を、ミクロな視点からの分析にはファイブフォース分析(5F=既存の競合相手の脅威、新規参入者の脅威、代替品の脅威、買い手の交渉力、売り手の交渉力)を、それぞれフレームワークとして用いると良いでしょう。
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ホテルや旅館で言えば、市場に影響を与えているものはインバウンド需要の増減や政府の観光諸政策などであり、顧客の動向に影響を与えているのはその時々のライフスタイルの変化などです。
Competitor(競合)
競合の要素では、競合他社の強みや弱み、どのような層をターゲットとしているのか、市場に対するシェアはどのくらいなのかについて分析していきます。
この分析の際には、他社を客観的に見ていく必要があります。
ある会社の客観的な分析を行うには、SWOT分析(S=Strength(強み)、W=Weakness(弱み)、O=Opportunity(機会)、T=Threat(脅威))をフレームワークとして用いると良いでしょう。
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ホテルや旅館で言えば、競合相手となるのは同じエリアにあるホテルや旅館で、競合相手の強みや弱みはそれぞれのサービスの特徴や価格帯、市場に対するシェアは年間やシーズンごとの宿泊者数などです。
Company(自社)
自社の要素では、自社の強みや弱み、どのような層をターゲットとしているのか、もしくはこれからどのような層をターゲットにしていくのかなどを分析したうえで、市場・顧客の分析結果や競合の分析結果を踏まえて、市場での自社の立ち位置について分析していきます。
自社分析においても、SWOT分析などのフレームワークを利用していくと良いでしょう。
また、市場・顧客の分析結果や競合の分析結果をもとに自社分析を行う際は、常に客観的な視点を持ち続けることを意識しましょう。
ホテルや旅館で言えば、自社分析はそのホテルや旅館のサービス内容や施設などについて分析し、市場のなかでの自社の立ち位置については、同じ価格帯の競合他社と比較したときにサービスの質はどうであるのか、競合他社との差別化をはかるにはどうすれば良いのかなどを分析していきます。
ホテルマーケティングにおける3C分析のポイント
ホテルマーケティングにおいて、3C分析を行う際のポイントについて3つほど挙げておきます。
お客様について考えることが大前提
まず、ホテルや旅館はお客様とのコミュニケーションを通して成り立っている業種です。
他社や市場を意識するのも大切ですが、お客様が求めているものを提供しなければならないということを忘れてはいけません。
常にお客様の立場に立って、宿泊してみたいと思わせられるようなホテルや旅館にしていくことが重要です。
書き出して情報収集をする
3C分析においてはとにかく情報収集が重要です。
知り得たものはどんどん書き出しておきましょう。
3Cを順序通りに考える必要はない
3C分析を行う際、市場→競合→自社のように順番を決めて、個別に分析を行う必要はありません。
要素の枠の垣根を超えることで、新たな視点を獲得することができるときもあります。
まとめ
3C分析について解説しました。
新しい事業の立ち上げに際して、また既存の事業の見直しに際して、マーケティング戦略を練るためには、それが成功するためにはどうすればいいのかを考えることが最も重要であると言えます。
3C分析を行うことで、成功要因を明確にし、事業を成功へと導きましょう!