お客様の傾向を把握しよう!ホテル・旅館のセグメンテーション

マーケティング

ホテル・旅館のセグメンテーション

これからどのようなお客様に向けてマーケティング戦略を練っていこうかと考える際に重要なのが、既存のお客様にはどのような消費傾向があるのかについて把握することです。

新たなイベントや宿泊プランを考える前に、現状の顧客がホテルや旅館に何を求めているのかをしっかりと分析することで、新たな企画の発掘にもつながります。

本記事では、ホテルや旅館におけるセグメンテーションについて解説していきます。

セグメンテーションとは?

セグメンテーションとは、顧客のニーズや傾向などをもとに市場を細分化していくマーケティング手法で、市場細分化とも呼ばれます。

セグメンテーションは、マーケティング戦略を考え始める前に行うことが理想的です。
そのホテルや旅館を訪れたお客様はどのような層に属していて、何を求めているのかなどを徹底的に分析することで、市場の動向を知り、適切なチャネル(販売経路)や新しい宿泊プランなどを考えていくことができます。

思い込みや従来の手法にとらわれた視点でものごとを考えていると、どうしても競合他社との差別化が困難になってきてしまいます。
顧客の傾向を知り、そこから現在の市場の動向や自社の強みを知ることで、より効果的なマーケティング戦略を練っていきましょう。

ホテル・旅館におけるセグメンテーションの重要性

ホテルや旅館のマーケティングをしていくにあたって、このセグメンテーションという作業はとても重要です。

近年、旅行に対する考え方は大きく変わりつつあります。
団体旅行が中心であったのが個人旅行に移り変わり、旅行の目的も単なる観光やショッピングだけでなく、その土地の自然や文化に触れることや、ホテルや旅館での宿泊体験そのものを目的に訪れるお客様もいらっしゃいます。

さまざまな旅行形態や旅行者がいるなかで、そのホテルや旅館に訪れているお客様の多くはどのような年齢でどのような職業なのか、また宿泊の目的はなにであるのかなどを詳しく分析することで、今の宿泊業界のトレンドを掴み、自社の強みやアピールポイントについて再認識することができます。

また、マーケティング戦略を考えていく際には当然、より利益が見込まれるターゲットに重心を置いて行っていく必要があります。
その優先順位を付けるという意味でも、ホテルマーケティングにおいてセグメンテーションは非常に有効なマーケティング手法であると言えます。

セグメンテーションの基準

セグメンテーションを行う際には、人口動態変数(デモグラフィック変数)、地理的変数(ジオグラフィック変数)、心理的変数(サイコグラフィック変数)、行動変数(ビヘイビアル)という4つの項目を軸に分析していきます。

それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。

人口動態変数(デモグラフィック変数)

人口動態変数とは、年齢、性別、職業、家族構成、世帯収入など、顧客の個人的な情報を軸に分析する項目です。

顧客個人の情報に関しては、細かく分類していこうと思えばどこまでも細分化できてしまいますが、マーケティングの目的などに応じて適宜調節してください。

ここ数年の旅行形態の多様化から、顧客のプライベートな情報について分析することで、さまざまな旅行目的のお客様に対応することができるようになります。
この項目は日本でも従来から重視されている点なので、比較的取り入れやすい軸ではあるかと思います。

地理的変数(ジオグラフィック変数)

地理的変数とは、国籍、地域、都心部との距離や利便性、自然環境など、地理的な要因を軸に分析していく項目です。

日本国籍以外のお客様は「インバウンド」とざっくりとくくってしまいがちですが、欧米の方なのかアジアの方なのか、またどこの国の方なのかを分析することで、どの言語に力を入れて対応していけば良いのかがわかります。

また、国内の旅行者に関しては、関西の方が多いのか、関東の方が多いのか、また都心部の方が多いのか、郊外からの方が多いのかなど、どの地方からのお客様が多いのか、交通の利便性はどの程度関係しているのかなどもチェックしておかなければなりません。

さらに、自然が多い地域に立地していれば、森林浴を目的に旅行を計画している方に訴えかけられるような宿泊プランを作成することもできます。

心理的変数(サイコグラフィック変数)

心理的変数とは、人口動態変数のような客観的なデータだけでなく、お客様の性格、価値観、趣味や趣向について分析していく項目です。

旅行目的の多様化の背景には、こうした消費者ひとりひとりの内面に沿った宿泊プランの提供が求められているということも挙げられます。

この手の分類は慣れていないと少し難しく感じるかもしれませんが、時に全く新しい視点を運んできてくれる場合もあります。

行動変数(ビヘイビアル)

行動変数とは、宿泊頻度、宿泊に際して使った費用、どのようなシーンで利用したのかなど、購買行動を軸に分析していく項目です。

リピーターの方へのマーケティング戦略や、これからリピーターになってもらうためにはどうすれば良いのかなどを考える際に用います。

まとめ

セグメンテーションについて解説しました。

顧客情報の分析から、そのホテルや旅館が置かれている市場の動向を把握し、常に効果的なホテルマーケティングが行えるようにしましょう。

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