サステナブルツーリズムとは?ホテル業界とSDGs

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ZEALL サステナブルツーリズム ホテル業界とSDGs

近年、SDGsという言葉をよく耳にするようになりました。

SDGsとは、日本語で「持続可能な開発目標」と訳されるもので、環境問題や人権問題に取り組みながら開発を続けていくための17項目からなる国際目標のことです。

この2015年に採択された世界的な取り組みは2030年を年限としており、2023年はちょうど折り返し地点に当たります。
環境問題や社会への不安が増大する中、SDGsは今後ますます注目され、重視されることでしょう。

そんなSDGsへの取り組みに観光業界も貢献しようと、JNTO(日本政府観光局)が推進しているのが「サステナブルツーリズム(持続可能な観光)」です。

本記事では、このサステナブルツーリズムとホテル業界のSDGsへの取り組みについて紹介したいと思います。

サステナブルツーリズムとは?

UNWTO(国連世界観光機関)では、持続可能な観光を以下のように定義しています。

「訪問客、業界、環境および訪問客を受け入れるコミュニティーのニーズに対応しつつ、現在および将来の経済、社会、環境への影響を十分に考慮する観光」
(出典:Making Tourism More Sustainable – A Guide for Policy Makers, UNEP and UNWTO, 2005, p.11-12)

平たく言えば、現地の自然環境や人々の生活・文化を守りつつ、観光資源を最大限に生かして事業開発をすることで雇用等を生み出し、経済発展にも貢献する取り組みのことです。

ここ数十年で観光開発は急激なスピードで進み、それによって地方経済が活性化した例もありますが、同時に自然環境の破壊や生態系への深刻な影響も懸念されています。
特にここ数年ではSDGsへの注目も高まり、国内でも環境問題に関心を抱く人が増えました。

そんな中で、ホテル業界を含む観光業界も、SDGsへの取り組みを強化し、あらためてそれらを内外に発信してゆこうという取り組みが国を挙げてなされているのです。

観光業界のSDGsへの関心の高まり

なぜこれほどまでにSDGsへの取り組みが意識されるようになったのでしょうか。

その一つに、消費者のSDGsに対する意識の高まりがあるでしょう。

従来、日本では環境問題に対する意識が欧米に比べて低いといわれてきましたが、近年では若者を中心に徐々に環境問題に対して深刻にとらえ、何かしらの行動をとろうという人たちが増えています。
環境問題へのアクションは様々あるでしょう。
実際に自分がゴミ拾いや植林などの活動に参加したり、デモや抗議運動などを通じて社会全体や政府に対して呼びかけを行ったりする人もいます。

しかし、それらの行動に踏み切るには非常に勇気も時間もかかります。
そこで、その商品が環境問題や人権問題の解決にどれほど貢献しているかを基準に消費活動を行う「グリーン購入」「エシカル消費」という考え方が生まれました。

人権に配慮した雇用を行う工場で作られた衣服や家具を購入する、地元やその近郊で採れた農産物や畜産物を食べる、オーガニック製品を使う、プラスチック製品を不必要に使わないなど、日常生活にかかわる様々な行動がSDGsに関連していると言えますが、非日常ともいえる観光・宿泊に対しても環境に配慮した消費を心がける人が増えてきたようです。

こうした消費傾向に対応して、ホテル業界においてもSDGsへの取り組みが重視されるようになったのです。

ホテル業界の環境問題への取り組み

では、ホテル業界の環境問題への取り組みについて具体的に見ていきましょう。

アメニティの削減

ホテルのアメニティは確かに便利なものですが、人によっては不必要に感じるものもあります。
ロビーやフロントなどで宿泊客が必要なものを、必要な分だけとるという形式にすることで、アメニティの無駄をなくせます。

デジタル化による紙の消費の削減

宿泊手続きに係る書類をデジタル管理に切り替えるだけでなく、広報や宣伝も紙のチラシではなくSNSなどを用いることで、ペーパーレス化を推し進めています。

オーガニック製品やバイオマス製品の提供

アメニティとして提供するシャンプーやボディーソープ、タオル類、櫛や歯ブラシなどをオーガニック製品やバイオマス製品にすることで、地球にやさしい消費行動の後押しをしています。

繰り返し使えるものやリサイクル製品の利用

ペットボトルでの水の提供をウォーターサーバーの設置へと切り替えたり、再生繊維で作られた寝具などリサイクルされた備品を積極的に利用したりしています。

ごみの処理

調理工程で出た生ごみや食べ残しなどのロス食品を、「コンポスト(堆肥)」にして植物の栽培に利用しています。

清掃の簡略化

連泊のお客様のお部屋の清掃を簡略化したり、タオル類の取り換えなどにとどめたりすることで、清掃の際に出るごみなどを削減しています。

以上の例はあくまでもごく一部にすぎません。
多くのホテルで、さまざまな環境に配慮した取り組みがなされています。

環境問題に取り組むメリット

ホテル業界が環境問題に取り組む大きなメリットとして、ホテルのイメージアップがあります。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、ホテル業界を含む観光業界は大打撃を受けました。
消費者も旅行に慎重になる中、「選ばれるホテル」になることがとても重要視されるようになりました。
立地や設備、サービスももちろん大事ですが、環境に配慮したホテルであるかどうかも、消費者がホテルを選ぶ重要な基準となりつつあります。

環境問題に真摯に取り組むことで、消費者がホテルに好印象を持つようになるのです。

まとめ

サステナブルツーリズムとホテル業界における環境問題の取り組みについて取り上げました。

ホテル側も消費者側も環境問題を意識することで、持続可能な社会の発展へとつながることを願ってやみません。

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