その時・その場所でしか味わえない体験を!ホテル・旅館と「トキ」消費

マーケティング

「トキ」消費

高度経済成長期を経て、日本は「モノ」があふれる時代になりました。
また、SNSの爆発的な普及を経て、「コト」も容易く共有できてしまう時代になりました。

「モノ」や「コト」があふれ、それらへの消費欲求がある程度落ち着いてしまったなかで、「トキ」消費という言葉が誕生しました。

本記事では、「トキ」消費とはどういう消費傾向を指すのか、またホテルや旅館が「トキ」消費に対してどのような対応を取れば良いのかについて解説していきます。

「トキ」消費とは?

「トキ」消費とは、同じ趣味や志向を持つ人たちと、その時、その場でしか味わうことのできないことに対価を支払う消費のことです。

アイドルやロックバンドのライブ、渋谷のハロウィーンの練り歩き、クラウドファンディング、アイドルや、漫画やアニメのキャラクターの人気総選挙などがその代表例です。

アイドルやロックバンドのライブで歓声を上げ、時には涙を流すという体験は、同じアーティストのライブであったとしても、別の日のライブとはまた違ったもので、その時、その場所だけでの感動を味わうことができます。
渋谷ハロウィーンも、その年その年によって、出会う人も起こる出来事も異なり、同じハロウィーンは訪れないでしょう。

クラウドファンディングでは、たとえ少額であっても自分が投資したお金が、確かにそのプロジェクトを動かしているのだと感じることで、実際にプロジェクトを進行する立場にいなくとも、そのプロジェクトに参加できたような気持ちになれます。

アイドルや、漫画やアニメのキャラクターの総選挙は、自分の1票が「推し」に貢献していると強く感じられることでしょう。

このように、同じような体験が2つとなく、自らが参加しているような気分になることができ、そのイベントに貢献できていると感じられる消費が「トキ」消費と呼ばれるものなのです。

「トキ」消費の3つの特徴

「トキ」消費には、非再現性、参加性、貢献性の3つの特徴があると言われています。
それぞれについて、どういうものであるのか見ていきましょう。

非再現性(限定性)

非再現性とは、その時、その場所で起こった出来事は、二度と再現できない、という特別な体験に対してお金を支払うという消費のことです。
「コト」消費など、「体験」や「思い出」に対してお金を支払うという傾向はこれまでにもありましたが、同じ体験は2つと無いというところがポイントです。

参加性

参加性とは、消費者がイベントに対して受け身でいるだけでなく、積極的に参加することができるという消費のことです。
単に同じような趣味の人が集まって何かをするというだけでなく、主体性をもってイベントに参加できるというところがポイントです。

貢献性

貢献性とは、人気総選挙などでアイドルやキャラクターといった「推し」に貢献したり、そのイベント自体の盛り上がりに貢献したりすることにお金を支払うという消費のことです。
「貢献している」という実感がはっきりと持てるというところがポイントです。

「トキ」消費の背景

「トキ」消費が発達していった背景には、SNSの普及が挙げられるでしょう。

冒頭でも述べましたが、高度経済成長期を経て、人々は「モノ」そのものの価値や機能に対価を支払うというスタイルから、「モノ」があふれて、ある程度何でも手に入れることができるようになってしまったら、次は「モノ」そのものではなく、体験などの「コト」に対価を支払うという消費スタイルに変化してきました。

しかし、SNSの発展と普及により、他人が体験したことを画像や動画により疑似体験できるようになってしまいました。
その場に赴かずとも体験できることがらが増え、「コト」も次第にあふれてくるようになったのです。

そこで、他人が過去に体験したものとは違い、その機会を逃せば二度と同じ体験ができなくなるという「トキ」へ対価を支払うという消費スタイルが確立されたのです。

実際、「トキ」消費はSNSの利用率が高い若年層に多い消費傾向であると言われています。
SNSでの交流を盛んに行い、面と向かって会ったことはないが、SNSを通してお互いのことを知っているという友人を持っている人も少なくはない若年層は、同じような趣味を持つ友人と直に会ってみたいという欲求を持っているのかもしれません。

好きなものや興味のあることが同じである人と会えるというのも、「トキ」消費の特徴のひとつです。

ホテル・旅館と「トキ」消費

では、ホテルや旅館では「トキ」消費をどう捉え、どのように対処していけば良いのでしょうか。

「トキ」消費は、その時、その場でしかできない体験であるという点から、観光業界に適した消費傾向であると言えます。

季節によって、観光地はまた違った貌を見せてくれます。
それに合わせて、ホテルや旅館でもその季節にしか体験できないようなイベントを企画すると良いでしょう。

また、何かしらのコンテンツとコラボ企画を組んだり、周辺の会場で行われるスポーツなどのイベントの観戦会を行ったりすることで、同じ趣味を持った人たちが一同に会し、実際に会ってコミュニケーションを深めるきっかけを作ることもできます。

このように、「トキ」消費をうまく取り入れることで、ホテルや旅館でも更なる集客を見込むことができます。

まとめ

「トキ」消費について解説しました。

新しい消費傾向について理解し、柔軟に受け入れることで、新規顧客の獲得に努めましょう!

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