新しい消費傾向―「エモ」消費とは?

マーケティング

エモ消費

「モノ」消費、「コト」消費、「トキ」消費、「イミ」消費…など、近年さまざまな消費スタイルが取り沙汰されています。
「エモ」消費も、そうした新たな消費スタイルのうちのひとつです。

本記事では、エモ消費とは何か、またホテルや旅館はそれにどのように対処していけば良いのかについて解説していきます。

「エモい」について

「エモ」消費の「エモ」という部分は、若者言葉である「エモい」からきています。

「エモい」の語源は、言葉では言い表せない微妙な感動を表す「得も言われぬ」とも、英語で感動的なさまを表す「emotional」であるとも言われています。
どちらも、心が突き動かされるような感動を表現する言葉です。

この「エモい」という言葉が表す感情には大きく幅があり、日常的な驚きから壮大な景色を見て圧倒されるような場面まで、かなり万能に使える言葉です。
古語で言うならば「をかし」が似たような表現になるのでしょうか。

そしてこの大小さまざまな感動は、ホテルや旅館などをはじめとした観光業ととても相性が良いと言えます。
雄大な自然を眺めるとき、川のせせらぎを聞くとき、おいしいものを食べたとき、豪華なホテルの内装を見たとき、スタッフからおもてなしを受けたとき、そして旅行を終えたときの充足感ですら、全てが「エモい」という言葉に集約されます。

その「エモい」をいかに引き出すかが、ホテルや旅館がエモ消費と向き合っていくカギになるのです。

「エモ」消費とは?

「エモ」消費とは、前項で解説したような「エモい」という感情に着目し、精神的充足に焦点を当てた新たな消費スタイルのことです。

これまでの消費スタイルにも、さまざまな変容がありました。
「モノ」そのものの価値や機能を重視する「モノ」消費、経験や体験を重視する「コト」消費などがその代表例ですが、「エモ」消費は、これらを「エモい」と感じるための手段とみなしています。
「モノ」を購入し、「コト」を体験することで、感動し、満足感を得ることが消費の目的となっているのです。

わかりやすい例としては、ヲタ活やフィルムカメラ、音楽フェス、古着などです。

ヲタ活とは、アイドルやアニメ・漫画のキャラクターなどの推しを応援するのに、限定ステッカーを手に入れるためにCDを同時に複数枚購入したり、推しのグッズを自作してSNSなどにアップしてヲタク仲間と交流したりするなど、精神的充足を得るための消費行動です。
ヲタ活は近年ちょっとしたブームとなっており、100円均一ショップや300円均一ショップなどでは、それ専用のコーナーが出来たりするほどです。

フィルムカメラなど、ノスタルジーを感じるものや手間のかかるものをあえて使うこともエモ消費です。
フィルムカメラでしか出せない少し古びたような感じや、現像までに手間がかかるという点も、デジタルカメラよりも写真1枚に対する充足感が大きくなることでしょう。

CDを購入する人は年々減少の一途をたどっていますが、音楽フェスに参加する若者は数多くいます。
フェスに参加することで、会場全体で盛り上がるという何物にも代えがたい充足感を得ているのです。

また、古着をあえて買うのもエモ消費と言えます。
量販品店などで簡単に流行りの服が買えてしまうなか、あえて古着を選ぶことでほかの人とは被らない、自分だけのファッションを楽しむことで精神的充足感を得ているのです。

このように、「エモ」消費にはさまざまな消費形態があり、どの分野にも比較的応用しやすいのが特徴だと言えます。

「エモ」消費の背景

「エモ」消費が広がる背景には、SNSでの情報共有が盛んになったことと、1人暮らし世帯の増加が考えられます。

20代や30代、あるいは高齢者の1人暮らしでは、自然と消費意欲が減少しますが、時間だけは家族がいる人よりも増えます。
あえてお金をかけて手間のかかることをする余裕のある人が増え、それを共有する手段が発達したことで、「エモ」消費が広がったと考えられます。

消費傾向は、価値観の変容とともに今後も思いもよらないような変化を遂げることでしょう。
その時々の消費傾向を正確にとらえ、さらに次の傾向は何であるのかを常に意識ながら戦略を練ることは、ホテルマーケティングにおいて非常に重要なことです。

ホテル・旅館と「エモ」消費

前述のとおり、ホテルや旅館をはじめとする観光業と、「エモ」消費という消費傾向は非常に相性が良いと言えます。

また、宿泊体験を通して生まれた「エモい」という感情は、次回もまたそのホテルや旅館を利用したいという気持ちにさせ、リピーター獲得の契機にもなります。

ただ単に宿泊施設としての役割を果たすだけでなく、そのホテルや旅館でしかできないような、心に残る体験を用意する必要があります。

まとめ

「エモ」消費について解説しました。

お客様の精神的な充足をかなえるために、ホテルや旅館では何ができるのかついて考えていきましょう!

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