知っておこう―ホテル・旅館の売却・譲渡

マーケティング

ホテル・旅館の売却・譲渡

インバウンド需要の増加に伴って、ホテルや旅館といった宿泊業界は今後ますます盛り上がりを見せていくと考えられます。

しかしながら、客足が途絶えてしまった観光地の旅館や最盛期にはさまざまな行事に利用された、いわゆるシティホテルと呼ばれるものなど、後継者不足、人員不足、顧客の大幅な減少、施設の老朽化などさまざまな原因から経営が難しくなってしまった宿泊施設も珍しくありません。

そこで現状のホテル経営を断念するという選択肢を迫られるものの、廃業や売却、譲渡などの手続きは大変複雑なもので、素人が完全に理解するのは困難です。

本記事では、ホテルの売却や譲渡にはどのような方法があるのか、またそれらのおおまかな流れについて解説します。

ホテル・旅館の需要は伸びている

まず大前提として押さえておきたいのが、ホテルや旅館の需要は近年増加傾向にあり、買い手が付きやすくなっているということです。

マーケティングの方法や従業員不足によりやむを得ず廃業してしまう場合もありますが、情報発信の方法や運営スタイルなどを一新すれば、新たな顧客が着くこともあります。

新型コロナウイルスの水際対策が緩和されてからしばらく経ち、また円安などの影響から、日本に訪れる外国人観光客の数は今やパンデミック前の統計データを凌ぐような勢いで増加しています。

また、近年の訪日外国人観光客の傾向として、必ずしも京都などの有名観光地にのみ集中して訪れているわけではないことも押さえておきましょう。
日本政府が観光庁を立ち上げてインバウンド需要の積極的な取り込みを始めてからもう十年以上が経ち、日本の特に地方の魅力が世界に広まりつつあります。

あまり都心に近くないようなところでも、売り出し方と経営方法次第で多くの外国人観光客を見込むことができるのです。
ぜひそうした宿泊業界の情勢を踏まえて、売却や譲渡に関しても悲観的になることなく対処していきましょう。

施設の老朽化に伴う廃業

ホテルや旅館の経営不振と施設の老朽化は実は密接に関係しています。
人が住んでいない空き家が急速に朽ち果てていくように、客足が途絶えた宿泊施設は思いもよらないようなスピードで老朽化し始めます。

老朽化した施設に宿泊したお客様は、その度合いにもよりますがあまり好意的な印象は持たないはずです。
口コミで老朽化が広まり、さらに客足が途絶え、施設もどんどん古くなっていくという負の連鎖に陥っているホテルや旅館は少なくありません。

こうして老朽化した施設には、当然ながらあまり買い手がつかなくなってしまいます。
また、単に廃業する場合には、建物を壊して更地にするための費用など、さまざまなコストが嵩みます。

ホテルや旅館の譲渡や廃業を考える場合には、できるだけ早い段階から検討を行うようにしましょう。

ホテル・旅館が抱える後継者問題

ひと昔前までは親の家業や屋号を子供が継承するのが当たり前となっていましたが、近年では職業選択の自由化が進み、どの分野でも後継者問題に頭を悩ませるケースが非常に増えています。
ホテルや旅館も例外ではなく、数百年続く由緒ある老舗旅館でさえ、子どもが後を継がないからという理由で廃業してしまう場合があります。

肉親が事業を継承しない場合は、従業員や役員のなかから後継者を選ぶのが一般的ですが、最近は第三者に事業を継承することも増えているようです。
代々受け継いできたものを第三者に渡してしまうことはすこし気が引けてしまうかもしれませんが、先祖からの伝統を未来につなげていくためにも、事業売却や事業譲渡という手段も考えてみてはいかがでしょうか。

事業売却・事業譲渡

では、事業売却や事業譲渡は具体的にどのような流れになるのでしょうか。

まず事業売却や事業譲渡を決意した場合、自分たちで何とかしようとするのではなく、意思決定をした時点で必ず専門家の手を借りましょう。
専門的な知識が必要になってきますし、非常に複雑な手続きになるので知識のない素人が行うのは危険です。

専門家の手を借りながら売却先や譲渡先を決定し、合意書を締結した後、企業監査や株主総会などを経て最終契約書を締結し、諸々の移動が済めば売却、もしくは譲渡の手続きが完了することになります。

ここでは非常に簡略化して列挙しましたが、これと並行して売りに出す時のアピールポイントをまとめたり、従業員の再就職先を確保したりするなどやることは山積みです。
専門家と二人三脚で漏れなくタスクをこなしていきましょう。

吸収・合併

ホテルの吸収や合併の話題は昔からよく耳にします。

「吸収」や「合併」と聞くとマイナスな印象を受けるかもしれませんが、最近はM&Aのような比較的対等な合併形式もあります。
特に海外資本は日本国内での宿泊施設獲得に力を入れており、大変高額での購入を申し出てくれることが多いようです。

買収条件も大事ですが、事業継承後そのホテルや旅館がどのような道を辿るのかも考慮しながら売却先を選んでいきましょう。

まとめ

ホテルや旅館の売却や買収について解説しました。

繰り返しますが、売却や買収にかかわる手続きは非常に専門性が高く複雑です。
信頼できる専門家の手を借りながら、ホテルや旅館の今後についてしっかりと考えていきましょう。

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