ホテル利用時における「内」と「外」
ホテルの部屋のなかは宿泊する同行者などを除けばほかに人はおらず、ほぼ完全なプライベート空間といえます。
旅や仕事の疲れを部屋でゆっくりと癒すのも宿泊の醍醐味です。
しかし、一歩部屋を出るとパブリックスペースになります。
宿泊の際は、こうした「内」と「外」の線引きをしっかり心がけておくことが大前提となります。
修学旅行生が大声で騒いでいる姿もよく見かけますが、たとえ学生であったとしても学校ではない「外」の空間では社会人としてみなされます。
節度と常識のある振る舞いを心がけましょう。
周りの迷惑にならないために気を付けておきたいこと
ホテルには多くの利用客がいます。
ほかの利用客の迷惑とならないように、マナーを守って過ごしましょう。
騒音
隣の部屋からTVの音が漏れていたり、上階の足音が響いたり、ロビーやフロントで騒いでいる団体客を見かけたりと、ほかの宿泊客の騒音が気になった経験がある方は多いのではないでしょうか。
廊下やフロントでは大声で騒がないようにしましょう。
また、部屋の中でも足音やTVの音が周辺の部屋に聞こえないように注意しましょう。
服装・ドレスコード
格式の高いホテルにはドレスコードがある場合があります。
その場にふさわしいフォーマルな装いですごしましょう。
ドレスコードがなくても、身なりには気を使いましょう。
露出の多い服装などは、その場において不適切な場合があります。
室内用のスリッパや部屋着・ナイトウェアでホテル内を歩くことも避けたいです。
海水浴場が近いホテルや備え付けのプールがある場合でも、水着姿で出歩くのは控えましょう。
水着姿が許可されているホテルでも、上着を羽織るなどの配慮をする方が望ましいです。
飲食物の持ち込み
衛生管理の面から、飲食物の持ち込みを許可していないホテルもあります。
持ち込み可な場合、飲食に伴うごみはきちんとごみ箱に捨て、カップラーメンの汁などは洗面所に流さないようにしましょう。
写真撮影
施設内で写真撮影が禁止されている場所もあります。
スタッフに一声かけてから撮影するようにしましょう。
撮影の際は周囲のお客様の映り込みに十分注意しましょう。
喫煙
タバコは喫煙ルームで吸いましょう。
禁煙エリアでは、電子タバコ、加熱式たばこ等も吸ってはいけません。
宿泊者以外の立ち入り
宿泊者以外のお部屋の立ち入りは原則禁止です。
友人と落ち合う際はラウンジやホテル外にしましょう。
ホテルスタッフにも敬意を
私たちの快適なホテル滞在は、そこに勤めるスタッフの尽力あってこそです。
両者が気持ちよく過ごすためにも、最低限のマナーは守りましょう。
キャンセル・宿泊人数の増減
キャンセルや宿泊人数の変更は、判明した時点ですぐに連絡しましょう。
食材が無駄になってしまうなど、ホテルに迷惑が掛かってしまいます。
自動車での来館
駐車可能台数に限りがあるホテルや、そもそも駐車場を設けていないところもあります。
事前に確認を取っておきましょう。
チェックイン
チェックインの手続きは基本的に予約代表者が行いましょう。
24時間フロントにスタッフが要るホテルばかりではないので、チェックインに遅れそうなときは必ず連絡を入れましょう。
交通機関の乱れなどやむを得ない理由ならば対処してもらえる場合があります。
ルームサービス
ルームサービスを食べ終わった後の食器は、洗わずに布などをかけて廊下に出しておきましょう。
洗面所などで洗うと食べ物の油などがついてしまうため、気を使って食器を洗う必要はありません。
鍵の管理
紛失などを予防するために、外出時に鍵をフロントに預けなければならないホテルもあります。
鍵を預けなくてもよいホテルでも、なくしてしまうと弁償責任が生じるので、鍵の管理には細心の注意を払いましょう。
清掃
清掃の時間帯は部屋を外していなければならないというわけではありません。
清掃には入ってほしくないときには、「起こさないで」などのカードを部屋の前に提げておきましょう。
チェックアウト
先払いだからと言って鍵をフロントデスクにおいて勝手に帰るのはいけません。
チェックアウト時にフロントスタッフに鍵を返却しましょう。
ビジネスホテルなどでは、カードキーを返却ボックスに入れるだけのところもあります。
こういう時はどうすれば?
食べ物や飲み物をこぼして部屋を汚してしまったり、不注意で備品を壊してしまったりすることもあります。
そのような時、どう対処すればいいのでしょうか。
絶対にやってはいけないのが、何も申告せずにホテルを去ってしまうことです。
ばれないだろうと思う人もいるかもしれませんが、後日請求書が来たりすることがあります。
ホテル側からの心象が悪くなって次回以降の宿泊を断られてしまうこともあります。
正直に申告しましょう。
ホテルによっては好意でクリーニング代等を請求しないところや、旅行保険に入っていて、免責料だけを請求するところもあるようです。
汚損や備品破壊は損害に当たるわけですが、どこからどこまでが故意で、どこからどこまでが過失なのか判断がつかないこともあり、ホテル側としても損害賠償を要求することが法的に厳しい場合もあります。
そこで事前対策として、宿泊約款にあらかじめ損害賠償に関する規約を記載し、室内やホームページに明記しているホテルもあるようです。
トラブルを起こしてしまった際は、まず宿泊約款やホテルのホームページを確認してみましょう。
事前に旅行者向けの掛け捨ての損害保険に入っておくと、安心して旅行が楽しめます。
まとめ
ホテルの利用マナーについて解説しました。
冒頭で修学旅行生について触れましたが、あまりにも学生のマナーが悪いと次年度からは受け入れを拒否されることもあります。
お互いがマナーを守ることで、両者ともより快適な時間が過ごせます。
ほかのお客様やホテルスタッフへの気遣いも忘れずにホテル滞在を満喫してください。