温暖な気候と肥沃な土地によって育まれた豊かな食文化―栃木県のご当地グルメ

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温暖な気候と肥沃な土地によって育まれた豊かな食文化 栃木県のご当地グルメ

県の面積の半分以上を森林が占める栃木県。

「とちおとめ」や「かんぴょう」をはじめ、さまざまな農産物に恵まれ、海こそありませんが、河川では魚の養殖も盛んです。

首都圏に近いだけでなく、世界遺産「日光東照宮」があることから、全国から観光客が訪れる栃木県には、さまざまなグルメがあります。

本記事では、山、川、平野に育まれた栃木県の豊かな食文化について触れながら、旅行の際にはぜひ食べてみたいご当地グルメをご紹介していきたいと思います。

山、川、平野それぞれの食文化

日本国内では珍しい内陸県である栃木県ですが、それを補って余りあるほど、山、川、平野などの自然条件に恵まれた農業大国です。

特にいちごの生産は約半世紀もの間全国1位を保っており、ほかにも麦、かんぴょう、うど、にら、トマト、さといも、なしなど多彩な農産物が収穫されています。
栃木県は、年間を通じて比較的温暖ではありますが、寒暖差や湿度の差が激しい典型的な内陸性気候なので、農作物が育ちやすいのです。

栃木県全土で今も食べられている、正月料理の残りを酒粕とともに煮込んだ「しもつかれ」は、味に賛否はあるものの栄養価が高く、残り物も大切にする先人の知恵を感じます。

険しい山岳地帯では、山菜や川魚を食べる文化が根付いており、川で養殖が盛んな鮎を使った鮎料理や、焼いたお餅に甘味噌などを塗った「ばんだい餅」が有名なほか、古くから山岳信仰の場でもあったことから精進料理が伝わっています。

精進料理の中でも、普通は「湯葉」と書くところを、独自の製法により表面が波状になっている日光のものは「湯波」という字で伝わっており、「揚げまき湯波の煮物」が有名です。

平野部や比較的緩やかな山間部では「にらそば」や「大根そば」など、そばの嵩増しにニラや大根を入れることがあるそうです。

平野部では二毛作が行われており、うどんとかんぴょうが特によく食べられてきました。
なかには耳の形に練った「耳うどん」と呼ばれる珍しいうどんもあります。

かんぴょうは、「いなり寿司」に入れたり、「かんぴょう巻き」にしたりするほか、ゴマ酢で和えた「かんぴょうのごま酢あえ」や、学校給食としても親しまれている「かんぴょうの卵とじ」が郷土料理として残っています。

さまざまな郷土料理が残る栃木県ですが、もちろん「宇都宮餃子」をはじめとしたご当地グルメもたくさんあります。

ここから先は、「県央エリア」、「県北エリア」、「県南エリア」の3つのエリアに分けてご当地グルメを見ていきましょう。

県央エリアのグルメ

県庁所在地である宇都宮市がある県の中心部、県央エリア。

栃木県に訪れたら、まずは「宇都宮餃子」を食べておきたいですよね。
餃子の消費量が全国で最も多い宇都宮市には、餃子を提供するお店がいたるところにあります。

お店によって中身の餡や皮などが異なりますが、基本的には少し大きめで食べ応えがあることが特徴です。
日本では焼き餃子が主流ですが、水餃子、揚げ餃子など、ラインナップも充実しており、現地で食べるだけでなく冷凍やチルドでお土産としても人気を博しています。

超粗挽きの豚肉を使用したハムを分厚く切って揚げた「宇都宮ハムカツ」も手軽に食べられるご当地グルメです。

濃いめのソースが絡んだ、そばめしに近いような味の「かみのかわ黒チャーハン」は、食べ応えがあるだけでなく、地元で採れた野菜がふんだんに使われています。

県北エリアのグルメ

「日光東照宮」や「華厳の滝」、「鬼怒川温泉」などがある県北エリア。

先ほどもご紹介した「湯波」を使った料理を食べられるお店が数多くあり、卵とじにしてご飯にかけた「湯波丼」や、餃子に入れた「湯波餃子」などがあります。

一風変わったご当地グルメとしては、炒めたソース焼きそばに醬油ベースのラーメンスープをかけた「スープ入り焼きそば」、「しもつかれ」の具材を使用した「しもつカレー」、揚げたりんごや煮たりんごをトッピングした「アップルカレー」など、見た目にインパクトのあるものが多いです。

県南エリアのグルメ

「足利学校」など、歴史的な観光スポットがある県南エリア。

冒頭でご紹介した「大根そば」や「耳うどん」発祥の地でもありますが、B級グルメもたくさんあります。
焼きそばに蒸かしたジャガイモが入った「ポテト入り焼きそば(ジャガイモ入り焼きそば)」は、ボリューム満点で、お店によっては揚げたジャガイモを入れているところもあるそうです。

また、麺にかんぴょうが練り込まれた「夕顔ラーメン」や、鶏ガラや豚骨をベースにした透明感のあるスープが特徴の「佐野ラーメン」など、ご当地ラーメンもあります。

おやつにもお土産にも!いちごスイーツ

さいごに、観光で疲れて一息つきたい時のおやつに、あるいはお土産にしたい、いちごスイーツをご紹介してこの記事を締めさせていただこうと思います。

「とちおとめ」を筆頭に、全国で生産量1位を誇る栃木県のいちご。
いちごそのものももちろん美味しいですが、最近は「いちごスイーツ」という形で提供するお店も増えています。
ジェラートやパンケーキを筆頭に、キッチンカーからおしゃれなカフェまで、いちごスイーツを堪能できるところは県内のいたるところにあります。

また、冷凍のいちご大福や、フリーズドライのいちごにホワイトチョコをかけたものなど、栃木県へ旅行した際はいちごスイーツをお土産にしてみてはいかがでしょうか。

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