和食にはさまざまな決まりごとがあり、我々日本人も普段はあまり意識しません。
しかし、会食の席など、正しい作法を知っておかないと恥をかいてしまうこともあります。
本記事では、日本人なら知っておきたい、基本的な和食のテーブルマナーについて解説します。
お箸の使い方
まずは、和食とは切っても切れない、お箸の正しい使い方について見ていきましょう。
正しいお箸の持ち方
お箸の持ち方については、幼いころに矯正箸などを用いて親から厳しくしつけられた方も多いのではないでしょうか。
しかし、年月が経つごとにそれぞれの癖がついてしまうものです。
あらためて確認していきましょう。
上の箸は人差し指の先と中指の爪で挟んで固定し、下の箸は親指の付け根に挟み、薬指の爪で支えます。
上の箸が上下に自由に動き、下の箸がしっかりと固定されていることがポイントです。
お箸の基本的なマナー
お箸を扱う上でのルールはいくつかありますが、その中でも特に押さえておきたいことを見ていきます。
お箸の取り方・置き方
お箸を箸置きから取る際は、右手でお箸の中央部分を掴んで持ち上げ、左手でその下を持ち、右手をゆっくり滑らせるようにして構え、すっと左手を外します。
お箸を箸置きに置く際は、お箸を箸置きから取るやり方の逆再生です。
左手で下からお箸を支え、右手をゆっくりと滑らせて上からお箸を掴むようにし、すっと左手を放して箸置きに置きます。
人を差してはならない
お箸で人を差してはいけません。
相手に対して失礼だというのもありますが、目などに刺さると危ないので絶対にやめましょう。
お箸をなめたりかじったりすることもマナー違反です。
取り分けるときに自分のお箸を使わない
大皿から食事を取り分けるときに、自分が使っているお箸で採り分けることがいけないのはなんとなくわかるかもしれません。
ならば、とお箸を逆さにして口を付けた方を上にして取り分けるのはいけません。
料理を取り分ける際には、取り箸を使います。
お箸は挟んで使うもの
多くの人がしてしまいがちなのが、お箸で食べ物を突き刺すことです。
お皿の上で食べやすい大きさに割るなどの工夫をしたうえで、刺さずに挟んで食べるようにしましょう。
してはならないお箸の扱い
「~箸」と名の付くお箸にまつわるタブーはたくさんありますが、その中でも代表的なものをいくつか取り上げたいと思います。
迷い箸
どれを食べようかと悩みながらお皿や食べ物の上をお箸が行ったり来たりすることです。
和食は基本的にごはん、おかず、汁物の順で食べます。
寄せ箸
お箸で食器を引き寄せることです。
食器を移動させたいときは手で持ち上げて動かしましょう。
箸渡し
人がお箸で掴んでいるものを別の人が直接お箸で受け取ることです。
取り分けなどの際はいったん取り皿に置くなどしましょう。
涙箸
お箸で掴んでいる食べ物から汁気が滴っている状態のことです。
たれないようにうまいことお箸を使いましょう。
仏箸
ごはんなどにお箸を突き刺して立てることです。
仏さまやご先祖様にお供えするものになってしまいます。
まとめ
和食のマナーについて解説しました。
旅館やちょっとした宴会など、改まった場で和食を食べる機会は意外と多いです。
おいしく、そして美しくいただきたいものです。