普通のビジネスホテルなどに比べれば格段に安く宿泊できるカプセルホテルですが、実際に泊まったことのある方はあまり多くはないのではないでしょうか。
本記事では、カプセルホテルとはどういうものなのか、どのようにして利用するのかについて解説していきます。
カプセルホテルとは
カプセルホテルとは、人ひとりが眠れるくらいのカギがない個室(いわゆるカプセル)を設けた宿泊施設のことです。
約40年前に大阪で誕生したカプセルホテルは、当初は終電を逃したサラリーマンが仕方なく泊まるようなところでしたが、最近ではきれいな設備を備え、Wi-Fiやワーキングスペースを完備するなど共有スペースを充実させたカプセルホテルが増えてきました。
宿泊代金は2000円~と、ビジネスホテルなどに比べると格段に安く、また予約なしの飛び込みでの宿泊が可能なのが特徴です。
また、近年ではその安さから外国人観光客の利用も増え、海外でも似たような宿泊施設ができているようです。
国内でも一般の旅行者や女性の利用が増え、今では女性専用のカプセルホテルやサウナなどを備えたカプセルホテルもあります。
カプセルホテルの利用方法
では、カプセルホテルの利用方法について見ていきます。
チェックインの方法は普通のホテルと変わりありません。
フロントでロッカーのカギと館内着を受け取りましょう。
カプセルホテルでは、荷物は個室ではなくカギ付きのロッカーに収納し、ホテル内では館内着で過ごすのが一般的です。
次にロッカールームで館内着に着替え、荷物を収納します。
個室には鍵がないので貴重品は肌身離さず持っておくか、ロッカーに入れてカギをかけておきましょう。
ロッカーに入らない荷物はフロントで預かってくれる場合があります。
必要があればスタッフに尋ねてみてください。
ロッカーのカギはなくさないようにきちんと管理しておきましょう。
カプセルは就寝のために作られているので、早めに入ってもやることがありません。
寝る時間までは、共有スペースで過ごすことをお勧めします。
ホテルによって様々ですが、食堂や大浴場、漫画やマッサージチェアがあるところもあります。
チェックイン後の外出も可能なので、夕食を摂りに行ったりコンビニエンスストアなどで買い物をしたりすることもできます。
就寝時は割り当てられた番号のカプセルの中で眠ります。
入り口はカーテンなどを閉めれば周りからは見えないようになっていますが、音は良く聞こえます。
テレビの騒音や話し声が周りの人の睡眠の妨げにならないように注意して過ごしましょう。
翌朝、鍵と館内着を返却すればチェックアウト完了です。
ロッカーの中などに忘れ物がないかよく確認してからチェックアウトしましょう。
カプセルホテルのメリット・デメリット
カプセルホテルのメリットは、何といっても宿泊代金の手ごろさにあります。
先ほども述べましたが、ほかの宿泊施設に比べるとはるかに低価格なので、旅費などの節約になります。
また、ターミナル駅の周辺など立地が大変いいことも大きなメリットといえるでしょう。
あまり迷うことなくホテルにたどり着くことができ、翌朝もスムーズに移動することができます。
しかし、価格の手ごろさゆえにさまざまなデメリットもあります。
まずはそのセキュリティの脆弱さです。
前述のとおり、カプセルホテルの個室にはカギがありません。
カギがかけられるロッカーに入っているものは大丈夫かもしれませんが、スマートフォンなど枕元に置いているものは安全とは言い難いです。
プライベート空間の少なさもデメリットの1つです。
カプセルホテルは個室の中以外はほぼすべてが共有スペースで、個室のなかも完全に外と遮断されているわけではないので、ゆっくりと旅の疲れを癒すのにはあまり向いていません。
旅費の節約を優先するのにはもってこいですし、最近のカプセルホテルはほんとうにきれいになりました。
ひとり旅や急な出張なら多少のことに目をつぶれば快適に過ごせるかと思います。
逆に、長期滞在やホテルでゆったりと過ごしたい人にはあまり適切な宿ではないかもしれません。
目的や予算に応じて、カプセルホテルという選択肢もあるということを覚えておくと良いでしょう。
利用時の注意
カプセルホテルの利用にはいくつかの注意点があります。
何よりも気を付けたいのが貴重品の管理です。
共有スペースが多く、個室にカギがないカプセルホテルでは通常のホテルよりも慎重に貴重品を管理する必要があります。
就寝時の騒音にも対策が必要です。
周りの人のいびきなどで眠れなくなることもあります。
耳栓やイヤホンなどをあらかじめ用意しておくと良いでしょう。
また、施設の設備にも注意が必要です。
ホテルによっては、浴場やシャワー、食堂などがないところもあります。
ホームページなどで事前にどのような設備があるのかをチェックしておきましょう。
まとめ
カプセルホテルについて解説しました。
人によっては共有スペースが多く、プライベート空間が確保しにくいカプセルホテルを忌避してしまうかもしれませんが、その安さは魅力的です。
機会があれば、カプセルホテルを利用してみてはいかがでしょうか。