秋田県の伝統行事―「なまはげ」について知ろう!

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秋田県の伝統行事「なまはげ」

秋田県のお祭りと言えば「なまはげ」。
毎年大晦日になると全国ニュースで取り上げられるほど有名なお祭りですが、なんとなく「子どもを脅かす行事」くらいの印象しか持っていないという方も多いのではないでしょうか。

秋田県に訪れる際にはぜひ「なまはげ」を体験してみたいものですが、「なまはげ」は家々を周る行事ですから、地域住民でもない一般人が参加できるものなのでしょうか。

本記事では、「なまはげ」の由来や関連する伝承、また観光として「なまはげ」を体験する方法についてご紹介していきたいと思います。

「なまはげ」とは?

「なまはげ」は、秋田県男鹿市を中心に、三種(みたね)町、潟上(かたがみ)市などで伝統的に行われている民俗行事です。
もともとは小正月(1月15日ごろ)に行われていましたが、近年では大晦日の夜に行われることが多く、怠け者を戒めて1年の厄を払い、新しい年を祝福するというような意味合いを持っています。

「なまはげ」は鬼ではなく、山から下りてきて、豊作、豊漁、吉事をもたらす神様です。

まず「先立ち」と呼ばれる人が「なまはげ」が訪問しても良いか尋ね、可能な家には鬼のお面と藁でできた衣装が特徴的な「なまはげ」が木でできた包丁や桶を持って現れ、「怠け者はいねが、泣く子はいねが、悪い子はいねが」と言いながら暴れまわります。

その年に不幸があった家や病人がいる家には訪問しません。
家主がお酒や料理で「なまはげ」をなだめることで、翌年の無病息災や豊作などを祈願します。

「言うことを聞かないと連れて帰るぞ」「悪いことをしたら山に向かって呼んだらすぐに来るからな」などと脅すと、ほとんどの子どもたちは親の言うことを聞くようになるそうです。

昭和53年(1978年)には「男鹿のなまはげ」として国の重要無形民俗文化財に指定され、平成30年(2018年)には「来訪神:仮面・仮装の神々」のひとつとしてユネスコ無形文化遺産にも登録されました。

「なまはげ」の発祥・由来

「なまはげ」という言葉の由来は、「火斑(ひだこ)を剥ぐ」や「生身剥ぎ」の秋田訛りです。

火斑とは、炉端でじっとしていると手足にできる火型のことを指します。
火斑ができるほど暖かい炉端でじっとしているような怠け者を戒めるため、「なまはげ」は手足の皮を剥ぎに来るのです。

また、「なまはげ」の行事の発祥や由来についてはあまり詳しいことは分かっておらず、さまざまな説があります。
ここでは有名な4つの説を紹介したいと思います。

1つめは漢の武帝説。
秋田県に伝わる以下のような伝説がもとになっているという説です。

昔の中国を治めていた漢の武帝が海を渡って5匹の鬼を連れてきたのですが、その鬼たちは作物や村娘を略奪して村人たちを困らせてしまいました。
鬼たちに手を焼いた村人は、夜明けまでに五社堂まで千段の石段を積み上げることが出来たら娘を差し出すという約束を取り付けます。

もちろん村人はいくら鬼たちでもできるわけがないと思っていたのですが、鬼たちはあっという間に九九九段の石段を積み上げてしまいます。
あと一段で石段が完成してしまうというまさにそのとき、村人のひとりが機転を利かせて夜明けを告げる鶏の鳴きまねをしたところ、鬼は逃げ去り、それ以降姿を現さなかったそうです。
この鬼たちは今も五社堂に祀られています。

2つめは修験者説。
古くから信仰の対象となっている男鹿の本山・真山(しんざん)では、ときどき修験者が山状(やまぶし)の修行姿で村里に降り家々を回って祈祷を行っていました。
村人たちが修験者の凄まじい姿を「なまはげ」と捉えたことが由来となっているというものです。

3つめは山の神様説。
遠くの海上から見ると日本海に浮かぶ山のように見える男鹿半島は、村人の生活を守る神様がいると信じられてきました。
その山の神様の使いが「なまはげ」であるとする説です。

4つめは漂流異邦人説。
男鹿の海岸には古くから異邦人が漂流してくることがありました。
村人からすれば見た目や言葉が異なる異邦人は鬼のように見えたと言います。
その大きな体や赤い肌が「なまはげ」のもとになったとする説です。

赤い「なまはげ」と青い「なまはげ」

「なまはげ」には赤い「なまはげ」と青い「なまはげ」の2種類が思い浮かぶという方も多いのではないでしょうか。

赤い「なまはげ」を「爺さんなまはげ」、青い「なまはげ」を「婆さんなまはげ」と呼び、2人1組で「夫婦なまはげ」と呼びます。
実は「なまはげ」のお面に決まったルールはなく、赤と青以外にもさまざまな色があるそうです。
ちなみに、赤や青でない場合は、角ばっているお面が「爺さんなまはげ」、丸みを帯びている方が「婆さんなまはげ」を指します。

「なまはげ」を体験するには?

このように、地域の信仰や民俗風習に密着し、民家と民家を渡り歩く「なまはげ」という行事は、あまり観光客向けではないような気もします。
ですが、「なまはげ」に関連した観光スポットや、「なまはげ」を体験することができるお祭りもあります。

まずは、年間を通して「なまはげ」について学ぶことができる「なまはげ館」。
「なまはげ」に関する資料や実際に使われたお面などが展示されています。
行事に関する歴史やしきたりについて学ぶことができる場所になっています。

もっと詳しく「なまはげ」について学びたいと思った方は、「男鹿真山伝承館」で、「なまはげ」についての詳しい解説や実演を見てみると面白いかもしれません。

「なまはげ」を観光客が直に体験できるイベントとしては、毎年2月に開催される「なまはげ柴灯(せど)祭り」があります。
みちのく五大雪まつりのひとつに数えられており、神事と組み合わさってできたお祭りです。

お祭りの時期には周辺のホテルがすぐに埋まってしまうため、早めに予約しておきましょう。

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