広い土地と多彩な食文化を有する―岩手県の食文化・グルメ

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広い土地と多彩な食文化を有する岩手県の食文化・グルメ

日本で最も面積が大きい都道府県と言えば北海道が思い浮かぶかと思いますが、では本州で最大の面積を有する都道府県はどこなのかご存知でしょうか。
本州で最も広いのは岩手県です。
その面積は四国四県に匹敵するほど。

そんな広大な土地を有する岩手県では、地域によって異なる自然や気候、風土があり、多彩な食文化が育まれてきました。
豊かで、そして厳しい自然に囲まれた岩手県はさまざまな美味しいグルメであふれています。

本記事では、岩手県の食文化や、岩手観光の際にぜひ食べておきたいグルメについてご紹介していきたいと思います。

岩手名物・わんこそばの発祥・由来

岩手県のグルメと言えば「わんこそば」が真っ先に頭に浮かぶと思います。
わんこそばとは、ひと口分の量の温かいそばを「わんこ(お椀)」に入れて提供される岩手県の郷土料理です。
岩手県全域で食べることができますが、主に盛岡市や花巻市、最近では平泉町などにたくさんお店があります。

小分けにしやすいように少し麺が長めになっており、のど越しの良さが特徴的です。
通常の一人前はだいたい15杯くらいであると言われており、お椀に蓋をしない限りは延々と給仕さんがお代わりを入れてくれます。
途中で飽きが来ないよう、さまざまな種類の薬味が用意されているのも特徴のひとつ。

その発祥には主に3つの説があります。

まずは花巻発祥説。
江戸時代、当時の藩主・南部利直が上京する際に花巻に立ち寄り、そこのそばを気に入って何杯もお代わりしたことに由来するとする説です。

次は盛岡発祥説。
盛岡出身の平民宰相・原敬が地元に帰省してそばを食べた際、「そばはわんこに限る」と言ったことを由来とする説です。

さいごは「そば振る舞い」の風習を発祥とする説。
岩手では昔からお祝い事などで宴会の締めくくりにそばを振る舞う習慣があり、一度に茹でることができる量には限りがあるため、お客様を待たせてしまうことから、少量ずつ全員に振る舞うようになったそうです。

寒さからお米があまり育たなかった岩手県では昔からそばの栽培が盛んで、お客様にお米を振る舞うことができない代わりに、温かいそばをおなか一杯食べさせることがおもてなしとされてきました。
わんこそばは、そんな岩手県の寒冷な気候と温かなおもてなしの心を象徴する郷土料理なのかもしれません。

県北エリア

ここからは、エリア別に郷土料理やご当地グルメを紹介していきたいと思います。

県北エリア

まずは、ドラマ「あまちゃん」の舞台となった久慈市のある県北エリアから。
寒さが厳しく、特に米が育ちにくいこの地域では、雑穀や豆などが主食とされてきました。

ドラマにも登場した「まめぶ汁」はクルミや黒砂糖を小麦粉の皮で包んだ「まめぶ」を野菜などと一緒に醤油や出汁で煮込んだ汁物。
甘さとしょっぱさがクセになります。
野田村の海岸でとれる「のだ塩」を使用した「のだ塩ソフトクリーム」も有名です。

県央エリア

雪が少なく、米や麦が穫れる県央エリアは、穀物を粉にして捏ねた「しとねもの」をメインとした食文化で、おやつとして県民に愛されている「きりせんしょ」や、捏ねた小麦粉を手でちぎったものを野菜などと煮た「ひっつみ」などがあります。

特産の「南部かしわ」からとった鶏がら出汁が効いた「雫石(しずくいし)スープカレー」はお店ごとに味のバリエーションも豊富で絶品です。

県南エリア

中尊寺金色堂など、歴史的建造物が数多くある県南エリアでは、古くから餅文化が根付いてきました。
江戸時代には、季節な節目や行事に応じて年間60回も餅を食べることになる「もち歴」が作られたこともあったそうです。

一関(いちのせき)市では、「祝いもち」の文化があり、そこから発展した「もち本膳」や、現代風にアレンジした「もち弁当」があります。
前沢牛の飼育が盛んな奥州市では牛丼やステーキ、養鶏が盛んな一関市では牛ではなく鶏のハラミを使用した「いちのせきハラミ焼き」が有名です。

奥羽・北上山地系エリア

雪深い山々に囲まれたこのエリアでは、山間に耕作地が点々としているような具合で、米や麦の栽培にはあまり適していませんが、山菜や獣の肉など、山の幸に恵まれた地域です。

味噌汁に納豆、豆腐、ワラビ、高菜漬けなどを入れた「納豆汁」は特に名物として知られています。
ゼンマイを切らずに煮る「ぜんまいの一本煮」は、行事食として大切に食べられてきました。
西和賀(にしわが)町ではビスケットの天ぷら・通称「ビス天」が、居酒屋などでも提供されるほどポピュラーで、いも天のような味と食感だそうです。

三陸海岸エリア

さいごは海沿いの三陸海岸エリア。
親潮と黒潮がぶつかる三陸沖では、さまざまな種類の魚介類が水揚げされます。

さんまのすり身をつみれにして野菜とともに味噌や醤油で煮込んだ「さんま汁」は秋の味覚として人々に愛されています。
海の幸をふんだんに使用した「磯ラーメン」や海鮮丼も各地で食べることができます。

厳しい自然に適応した無駄のない食文化

地理的条件や気候的条件で作物の栽培が難しい地域が多い岩手県。
厳しい自然に適応するための知恵や工夫が垣間見られ、また自然の恵みを余すことなくいただく無駄のない食文化が特徴的です。
岩手県を観光する際は、ぜひ由来を思い浮かべながらご飯を食べてみてください。

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