かつて仙台を治めた戦国武将・伊達政宗は、豊臣秀吉や徳川家康といった時の権力者にうまく近づき、仙台藩を東北で最も力のある藩に育て上げてきました。
米どころであり、自然にも恵まれ、稲作も盛んな東北随一の都市である宮城県には、さまざまな魅力あふれる観光スポットがあります。
本記事では、自然、歴史、文化、温泉など、多種多様な宮城県の観光スポットについて、テーマ別に紹介していきたいと思います。
宮城県の自然を感じよう!
まずは、宮城県の自然を感じることができる観光スポットについて見ていきましょう。
宮城県の自然と聞いてまず思い浮かぶのは、日本三景にも数えられ、古くから歌枕の地としても親しまれてきた「松島」ではないでしょうか。
「歌枕の地」とは、古今東西の優れた歌人が歌に詠むほど美しい景色を誇る名所のことです。
松島に関しては、古くからさまざまな歌に詠まれてきましたが、松尾芭蕉の「奥の細道」という紀行文の冒頭にある「松島の月まづ心にかかりて」という一節は、記憶にある方も多いかと思います。
大小さまざまな島々からなるその独特な景観は、昔から霊験あらたかな場所であると考えられてきました。
松島で最も大きな島・宮戸島の大高森の山頂付近にある「四大観壮観大高森(しだいかんそうかんおおたかもり)」という展望台からは、松島の全体像を俯瞰的に見ることができます。
駐車場から展望台までは15分ほど山を登ることになるため、動きやすい服装での観光をおすすめします。
ほかにも、桜や夕日が美しい「西行戻しの松公園」や、「松島」の由来になったともされる霊場で知られる「雄島」も、松島観光には欠かせません。
ほかにも、猫がたくさん生息していることで世界的にも広く知られている「田代島」や、渡り鳥や「はすまつり」が有名な「伊豆沼」、金運にご利益のあるパワースポットであり野生動物が数多く保護されている離島・金華山など、宮城県には自然が美しい観光スポットがたくさんあります。
伊達政宗ゆかりの地を巡ろう!
続いては、近年は女性にもファンが多い仙台藩祖・伊達政宗ゆかりの地をご紹介します。
伊達政宗は幼いころ疱瘡(ほうそう。天然痘のこと)にかかった目を家臣に抉り取らせたり、白装束姿で豊臣秀吉の前に現れたりといった豪快な逸話から、ヨーロッパに慶長遣欧使節を向かわせたり、料理上手であったりといった繊細で文化的なエピソードまで、さまざまな側面がある魅力的な人物です。
伊達政宗ゆかりの地は宮城県のいたるところにありますが、やはりまずは仙台市内から巡ってみるのが良いかと思います。
仙台のシンボルと言えば、仙台城跡の伊達政宗の銅像。
銅像を見ると聖地巡礼をしている実感が沸いて気持ちが高揚してきますよね。
銅像だけでなく、時間があれば堅牢な仙台城の城郭もゆっくりと散策してみてください。
日本最大級のどんと焼き「松焚祭(まつたきまつり)」で有名な大崎八幡宮は、伊達政宗の命により建てられたお社です。
絢爛豪華でまばゆい色彩が特徴である安土桃山時代の建築を堪能することができます。
美しい庭で知られる輪王寺も伊達家ゆかりの地。
仁王門は一度火災で焼失してしまいますが、大正時代に福定無外(ふくさだむがい)和尚が再建しました。
また、松島にある「円通院」や「瑞巌寺(ずいがんじ)」も、政宗と深い関わりがあるお寺です。
鳴子温泉郷とその周辺の観光スポット
3つ目は、伝統工芸品のこけしでも有名な鳴子温泉郷。
承和4年(837年)の鳥谷ヶ森(鳴子火山)の噴火によって湧き出た温泉だと言われています。
歴史ある温泉地で、源義経や松尾芭蕉にもゆかりのある場所です。
「鳴子温泉」、「東鳴子温泉」、「川渡温泉」、「中山平温泉」、「鬼首温泉」の5つの温泉から成り立っており、400本もの源泉を背景に、それぞれ個性豊かな温泉を楽しむことができます。
栗が丸ごとひとつ入った団子にみたらしをかけた「栗だんご」、ゴマ、クルミ、砂糖などで甘辛く味付けした味噌をしその葉で巻いた「しそ巻き」、温泉卵などのほかに、どぶろくや地酒も有名。
「湯めぐりチケット」も販売されているので、日帰りでさまざまな温泉を楽しむことも可能です。
紅葉や新緑が美しい「鳴子峡」や、「間欠泉」を間近で見ることができる「地獄谷遊歩道」など、周辺にも自然豊かな観光スポットがあります。
美術館・博物館など
さいごに、ほかの観光名所と合わせて訪れたい、宮城県の美術館や博物館についてご紹介したいと思います。
まずはアクセスも良い仙台市内から。
旧石器時代の遺跡をそのまま見ることができる世界的にも珍しい「地底の森ミュージアム」や、美しい万華鏡がたくさん置いてありお土産選びにも最適な「仙台万華鏡美術館」、笹かまぼこをはじめとした仙台グルメのアミューズメントパーク「笹かま館」など、一日では周りきれないほどの博物館や美術館があります。
仙台市内だけでなく、松島にも「ザ・ミュージアム MATSUSHIMA」というオルゴールやレトロなおもちゃを収蔵した興味深い博物館があります。
時間に余裕がある際には、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。