行ってみたい温泉地ランキングなどで常に上位に入って来る「乳頭温泉郷」をはじめ、秋田県には実にさまざまな温泉地があります。
それぞれの温泉地がそこにしかない唯一無二の魅力を持っていて、大自然に囲まれた空間で温泉に浸かれば、日ごろの疲れも吹き飛ぶこと間違いなしです。
そこで本記事では、そんな温泉大国である秋田県内でも代表的な8つの温泉地を紹介していきたいと思います。
秋田県は温泉大国⁈
「乳頭温泉郷」をはじめとする名湯・秘湯ぞろいの秋田県は、たださまざまなところで温泉が湧いているだけでなく、その源泉のバリエーションの豊富さも特徴のひとつです。
無色透明で無臭の温泉や、白濁していて硫黄の香りが強い温泉、複数の源泉を楽しむことができる温泉など、ひとつの県にこれだけ多彩な温泉がそろっている都道府県はそう多くはありません。
比較的市街地に近くアクセスの良い温泉街から、たどり着くまでは少し大変だけれども豊かな自然に囲まれた温泉まで、泉質だけでなく温泉地を取り巻く環境もさまざまです。
乳頭温泉郷
十和田八幡平国立公園のなかに位置する、乳頭山麓に点在する7つの温泉からなる乳頭温泉郷。
日本を代表する名湯・秘湯と言われ、7つの温泉はそれぞれ一軒宿となっています。
それぞれ独自に源泉を持ち、その数は十種類以上。
国内のみならず、海外のメディアにも取り上げられるほどよく知られている温泉地です。
開湯は江戸時代にまでさかのぼり、当時は湯治場として人々に愛されていました。
秋田新幹線の田沢湖駅からバスに乗って1時間弱ほどで着くため、都心からのアクセスも抜群です。
玉川温泉
同じく十和田八幡平国立公園の中に位置する玉川温泉は、pH1.2と日本一強酸性な泉質であることで有名です。
一か所からの単位時間当たりの温泉の湧出量も日本一なのだとか。
さまざまな効能があり、現在でも湯治目的に訪れる方も多いそうです。
秋田空港や田沢駅、鹿角花輪(かずのはなわ)駅などからバスが出ています。
冬は一般車両の通行が制限されるのでご注意を。
近くには天然の岩盤浴ができる場所もあります。
後生掛(ごしょうがけ)温泉
こちらも十和田八幡平国立公園のなかにある後生掛温泉は、古くから「馬で来て 足駄で帰る 後生掛」という歌が詠まれている通り、心や体の不調から馬に乗せられて来た人も、湯に浸かり養生すれば足駄(高下駄)を履いて帰ることができるほど効能が認められてきた温泉です。
その名前の由来は何とも物騒で、江戸時代、ひとりの男性を巡ってふたりの女性が後生を掛けて湯沼に身投げしたことから来ているのだとか。
そのため、後生掛温泉では、源泉をオナメ(妾)の湯、モトメ(本妻)の湯などと呼んでいるそうです。
後生掛温泉も田沢湖駅や鹿角花輪駅などからバスが出ていますが、冬季は運行状況が異なるため、事前に確認しておきましょう。
秋田温泉
「秋田美人」を生んだとされる秋田温泉は、秋田市内にある非常にアクセスの良い温泉です。
小さい子どもからお年寄りまで、家族みんなで宿泊することができるホテルや温泉宿も充実しています。
「なまはげ」で有名な男鹿半島や武家屋敷が立ち並ぶ角館といった観光地から近いこともあり、観光の疲れを癒すために1泊するといったような旅行プランが立てられます。
水沢温泉
駒ヶ岳の中腹に位置する水沢温泉は、硫黄やカルシウムが豊富に含まれており、森林に囲まれて静かに体を休めることができる温泉です。
露天風呂の深さが1メートルもあるところもあります。
スキー場も近く、日帰りで気軽に立ち寄ることもできることから、地元の利用客も多いそうです。
田沢湖駅から1日に十数本バスが通っており、車で10分ほどの距離にあるので、意外とアクセスの良い場所にあります。
秋の宮温泉郷
秋田県最古の温泉として知られる秋の宮温泉郷。
栗駒山の麓にある役内(やくない)川沿いにあり、かの文豪・武者小路実篤も愛したと言われる美しい自然が広がっています。
秋の宮温泉郷も、それぞれの宿が源泉を持っている贅沢な温泉地です。
JR湯沢駅周辺には歴史的建造物が点在しており、レトロな雰囲気を感じたい方にはおすすめです。
レンタカーを借りると移動がスムーズです。
横堀駅からバスも出ています。
男鹿温泉郷
海水に似た成分の男鹿温泉は、保湿効果が高く「熱の湯」と言われることもあり、湯冷めしにくく美肌効果が期待できます。
江戸時代にはすでに人気の温泉地で、明治維新後は炭鉱が近かったことから採掘現場で働いている人が多く出入りし、鉱山の名前にちなんで「石山温泉」などと呼ばれることもありました。
男鹿の漁師たちが昼食として食べていた、魚介類、海藻、ねぎなどを味噌と一緒に煮込んだ料理をお座敷料理にアレンジした「石焼料理」が名物。
海岸の巨石・奇石やアジサイで有名な「雲昌寺」など、周辺の観光スポットも豊富です。
秋田駅や男鹿駅からシャトルバスが出ています。