新撰組の始まりは多摩から!東京にある新撰組の足跡をたどる

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新撰組の始まりは多摩から 東京にある新撰組の足跡

今もなお人々の心を惹きつけてやまない新撰組。
数々の名作時代小説のモデルになっただけでなく、昨今はアニメやゲームの題材としても扱われています。

新撰組と言えば京都を思い浮かべる方が多いかと思いますが、その始まりの場所は、実は今の東京にありました。

本記事では、新撰組に興味はあるけれども京都まで行くことは難しいという方向けに、東京にある新撰組の足跡をたどっていきたいと思います。

新撰組とは?

まずは、新撰組がどのような組織であったのかについて簡単に解説していきましょう。

新撰組とは、京都守護職である会津藩松平容保お預かりの浪士集団のこと。
構成員のほとんどは各地の藩から脱藩してきた者や百姓、町人などでしたが、剣豪ぞろいであったといいます。

将軍家と最も近い藩のひとつ・会津藩のお抱えであったので、幕府と敵対するような思想を持つ攘夷志士たちを取り締まる役割を担っていました。

実は一次資料や客観的な記述が少なく、なぞに覆われている部分も多いのですが、若い青少年たちが生死をかけて戦ってきたという幕末の青春ともいえる生き様は、さまざまな創作物の題材にされてきました。

特に、局長の近藤勇、副長の土方歳三、一番隊隊長の沖田総司らはその悲劇的な運命もあって人気を集めているとともに、同郷であることも有名です。
そんな3人の出身地が、現在の東京の多摩の辺り。
多摩はまさに、新撰組始まりの場所なのです。

新撰組ができるまで

新撰組の局長・近藤勇は多摩の農家の出身。
後に試衛館の道場主・近藤周斎に婿入りし、道場を継ぎます。

近藤の盟友であり、新撰組の副長・土方歳三も多摩の農家の出身。
かなり裕福な家であったようで、土方は二十歳前後まで職を転々としながらのびのび育ったといわれています。

近藤、土方の弟分であり、新撰組の一番隊隊長・沖田総司もまた多摩の出身。
両親が早くに他界したため武家でありながら困窮し、幼いころに試衛館へ口減らしに出されます。

その沖田の親戚筋であり、試衛館の門人であった六番隊隊長・井上源三郎ももちろん多摩の出身です。

彼ら4人、特に土方と近藤は生家や神社などが残っており、現在もその足跡をたどることができます。

試衛館は田舎のいち道場ですからそれほど記録が残っているわけではありませんが、この場所で新撰組の基礎が出来上がってきたと考えられています。

と言うのも、北辰一刀流の使い手、もうひとりの新選組副長・山南敬介や八番隊隊長・藤堂平助、神道無念流の使い手でのちに貴重な証言を残した二番隊隊長・長倉新八、槍の名手である十番隊隊長・原田左之助など、そうそうたる面々が試衛館に出入りしていたのです。
新撰組に関する記述には曖昧なところが多く、一概には言えませんが、三番隊隊長・斎藤一も試衛館の面々と面識があったのではないかとする説もあります。

このように、新撰組は試衛館とゆかりのある人物でほとんど幹部を固めており、多摩はまさに新撰組の始まりの場所であったのです。

彼らは将軍警護のために集められた「浪士組」に参加し上京後、紆余曲折あって水戸天狗党の芹沢鴨らと「壬生浪士組」を結成。
「八月十八日の政変」での功績が認められ、会津藩から「新撰組」の名を賜ります。

東京にある新撰組ゆかりの場所

ざっと新撰組についてご紹介してまいりました。
この項では、東京都内に残された新撰組ゆかりの場所をご紹介したいと思います。

近藤勇生家跡

新撰組の局長を務めた近藤勇は、養子に入る前は宮崎勝五郎と名乗っていました。
現在の調布市には、かつて宮崎家があった場所に石碑が建てられています。

近藤神社

近藤勇の生家跡のすぐ近くには、昭和に入ってから建てられた彼を祀る小さな神社があります。

土方歳三資料館

日野市にある土方歳三の生家では、彼の一族の子孫が資料館を開き、遺品や資料を公開しています。
主に土日や祝日しか開館していないので、お出かけの前にホームページを確認しておきましょう。

井上源三郎資料館

井上源三郎の生家でも、彼の一族の子孫が資料館を運営しています。
こちらも開館日が限られているので事前にホームページで確認を。

日野北原とんがらし地蔵尊

沖田総司の生家付近は現在は住宅地になっており、観光はできませんが、彼が姉と一緒にお参りしたという地蔵尊が今も残されています。

天然理心流試衛館道場跡

のちに新撰組の幹部となる若者たちが集った試衛館があった場所には立札が立っています。

処静院跡

新撰組の前身となる浪士組が結成された処静院があった場所にも立札が立っています。
浪士組の会合にも使われた伝通院は処静院の隣にあり、今も残っています。

新撰組のふるさと歴史館

新撰組のことについてまんべんなく知るなら、まずは日野市が運営する「新撰組のふるさと歴史館」から。
新撰組に関する資料だけでなく、大河ドラマで使用された小道具なども展示されており、あまり新撰組に詳しくない方でも楽しめるようになっています。
日野市は土方歳三の命日に「ひの新撰組まつり」が行われていることもあって、毎年多くのファンが訪れる新撰組の聖地となっているのです。

まとめ

東京都内にある新撰組ゆかりの地について解説しました。

関東圏に住んでいて、なかなか京都まで足を延ばすことができないという新撰組ファンの方は、ぜひ訪れてみてください。

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