日本でも指折りの温泉地であり、正月には駅伝が全国中継されていることでも知られる箱根。
温泉だけでなく、自然の中でハイキングを楽しんだり、美術館を巡ったりと、興味や関心に応じてさまざまな旅の行程を組むことができる人気の観光スポットです。
都心からのアクセスも良いので、気軽に旅行することができます。
本記事では、人気の温泉地・観光地である箱根の歴史と定番観光スポットをご紹介していきたいと思います。
温泉や駅伝で全国的に有名な箱根
正月の昼頃、手持ち無沙汰にテレビを付けると箱根駅伝が中継されており、家族でおせちをつつきながら見ていたという思い出をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
関東にある全国でも屈指の知名度を持つ温泉地・箱根は、毎年国内外から多くの観光客が訪れます。
また、江戸時代には険しい関が設けられ、江戸を脅威から守ってきた場所でもあります。
さまざまな側面を持つ箱根について知ることで、箱根旅行をより有意義なものにしましょう。
古くから湯治場として栄えた箱根
箱根の開湯は古く、奈良時代にまでさかのぼります。
泰澄(たいちょう)大師の弟子である「浄定坊(じょうじょうぼう)」によって源泉が発見されたといわれており、平安時代には「箱根道」という名前が文献から確認されるほど栄えたようです。
「箱根」の名前の由来は諸説ありますが、「箱」が神様を、「根」が山の峰を表しているという説もあり、古くから自然の雄大さや湧き出る温泉が人々に神聖視されていたことがうかがえます。
開湯以来、箱根の湯はさまざまな歴史上の人物から愛されました。
特に小田原攻めの際に訪れた天下人・豊臣秀吉によって、陰線地として箱根の名は一気に広まったのです。
江戸時代に入ると箱根には関所が設けられ、出入りする人々が厳しく取り締まられました。
超えるのが難しい険しい関所であるだけでなく、江戸から近い箱根は人々が気軽に湯治に訪れることができるので、「一夜湯治」と呼ばれる箱根への旅が定着します。
この頃から箱根は、アクセスの良い定番観光スポットとして広く親しまれていたのです。
明治、大正、昭和と、道路や鉄道が整備されると箱根はますます観光客で賑わうようになり、次第に避暑地や別荘地としても知られるようになりました。
また、古くから人々に愛されてきた温泉街である箱根は、日本でも指折りの作家をも惹きつける魅力を持っていたようです。
夏目漱石や島崎藤村など、名だたる文豪たちが箱根で執筆活動を行い、数々の名作を世に送り出しました。
温泉、関所、避暑、そして文学のまち・箱根。
その魅力は今や海外にも広まっており、毎年多くの外国人観光客が訪れています。
箱根の定番観光スポット
温泉で有名な箱根ですが、実は箱根には温泉に留まらずさまざまな魅力ある観光スポットが存在します。
そこでこの項では、箱根の定番観光スポットと題して、温泉以外の箱根観光を見ていきたいと思います。
箱根湿生花園
春先から11月ごろまで開館している「箱根湿生花園」。
湿地に生息する植物だけでなく、高山植物や外来種など、さまざまな種類の草花を鑑賞することができる植物園です。
箱館の美しい自然が広がっており、のんびりと散策を楽しむことができます。
千条(ちすじ)の滝
浅間山の麓にある「千条の滝」。
清らかな滝の流れは、日ごろの喧騒を忘れさせてくれます。
最寄駅から20分と、意外とアクセスが良いのも特徴です。
金時山
神奈川県と静岡県の県境に位置し、富士山を望むこともできる「金時山」。
いくつかハイキングコースが整備されているので、気軽に自然の中を歩くことができます。
芦ノ湖
湖面と富士山のコントラストが美しい「芦ノ湖」。
箱根の自然が楽しめる観光スポットのなかでも特に人気の高い場所です。
箱根神社
芦ノ湖の近くにある「箱根神社」。
開運の神様として知られ、境内にある「九頭竜神社」は縁結びのご利益があることで有名です。
岡田美術館
2013年に誕生した「岡田美術館」。
東アジアの美術品を中心に展示している美術館で、庭園の自然美も魅力的な観光スポットです。
彫刻の森美術館
自然の中でさまざまな美術作品に触れることができる野外美術館・「彫刻の森美術館」。
作品の中に入ることができる体験型のものもあるほか、ワークショップも開催されているので、子どもから大人まで楽しむことができます。
箱根美術館
縄文時代から江戸時代まで、日本の文化史を辿っていくことができる「箱根美術館」。
四季の移り変わりを感じられる美しい庭園や、その中に設けられた茶室にも趣があります。
ポーラ美術館
モネやルノワールなどの西洋美術から、横山大観、岸田隆盛などの日本画家の作品や工芸品まで幅広く取り揃えられた「ポーラ美術館」。
コンサートやギャラリーなどのイベントも充実しているので、ぜひ訪れる前に確認してみてください。
散歩道も併設されているので、自然散策にもおすすめです。