ホテルはどうやってできたのか?その起源と歴史

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ホテルの起源と歴史

旅行や出張などでお世話になるホテルですが、その歴史については意外と知らない方も多いのではないでしょうか。

本記事では、ホテルの起源とその歴史について解説していきます。

西洋式ホテルの始まり

「ホテル」という言葉は外来語なので、なんとなく現代のホテルの原型はヨーロッパの方にあるのかなと類推することができるのではないでしょうか。

「ホテル」を英語でつづるとhotelとなり、その語源はラテン語のhospesという言葉だと言われています。
houpesとは、中世ヨーロッパにおいて、十字軍や聖地巡礼の旅人が宿泊するために協会が用意した施設のことを指し、客人を保護して歓待するhospitalityという言葉が派生して生まれたものです。
「病院」を意味するhospitalの語源も同じ言葉です。

当時、つまり11世紀ごろのスイスは、古代から交通の要所であったことから「ヨーロッパの十字路」と呼ばれていました。
なので、聖地巡礼をする際にはスイスの険しい山道を越えなければならず、このhospesという施設は旅人にとって大変重要なものでした。
これが西洋におけるホテルの始まりとなるのです。

西洋ホテルの歴史

19世紀に入ると、西洋のホテルはだんだんと現在の形に近づいていきます。

その原型を作ったのがスイスのセザール・リッツという人物です。

セザール・リッツはスイスの片田舎に生まれ、10代なかばのころは地元のホテルでベルボーイをしていました。
その後、フランスのパリに渡って靴磨きや売春宿のドアマンなどをしながら、時代の変革期にあるパリの様子を目の当たりにして成長しました。

普仏戦争ののちにモナコでホテルの支配人を経験したのち、ヨーロッパ各地の有名ホテルでその手腕を発揮し、やがてリッツ・ホテルを開業します。
疫病の流行を経験したことから各個室にトイレと浴室を完備したり、ホテルで提供する食事にこだわって料理人を手配したりするなど、お客様に満足してもらえるようなさまざまなサービスを展開してヨーロッパ中で成功をおさめ、のちに「ホテル王」とも呼ばれました。

なお、アメリカのホテルチェーン「ザ・リッツ・カールトン」は、リッツの死後にその表彰を買収してフランチャイズ化したものです。
彼の死後、ヨーロッパ中でリッツの方式を踏襲したホテルが生まれ、その後日本をはじめとするアジアにも広がり、現在に至ります。

世界最古のホテルは日本にある?

ギネス世界記録に認定された現存する世界最古の宿泊施設が日本にあるということはご存じでしょうか?

それは、藤原(中臣)鎌足の息子である藤原真人が発見したとされる、山梨県の西山温泉にある「慶雲館」という宿です。

藤原(中臣)鎌足という人物は、多くの方が歴史の教科書などで耳にしたことがあるかと思います。
その息子の時代からあるというだけでも相当歴史があるのだろうなと想像がつきますが、この宿の名前の由来ともなった「慶雲」というのは約1500年前の元号で、わが国で最初の元号である「大化」から数えても5番目に当たる古いものです。

真人が泉源を発見して以来西山温泉は湯治場として栄え、武田信玄をはじめとしてたくさんの人々から愛されてきました。

ほかにも兵庫県の城崎温泉や石川県の栗津温泉にも同じような時代からある温泉宿があり、日本には湯治場を中心に古くから続く宿が数多くあります。

日本の近代ホテルの歴史

ここからは、近代、つまり鎖国が終わり、開国してからの日本のホテルについて見ていきたいと思います。

日本が開国したのは1858年、マシュー・ペリーの2度目の来航によって日米修好通商条約が結ばれた年のことでした。
条約締結にともなって開港された横浜にはたくさんの外国人が訪れます。
当時の日本の宿には施錠や完全な間仕切りの習慣がなく、プライベート空間の確保を重要視する欧米人はあまり快適に過ごせなかったようです。

日本初の西洋式のホテルは1860年にオランダ人のC.J.フフナーゲルが開業した「ヨコハマ・ホテル」です。
建物は日本式の建築であったようですが、ホテルのなかにはビリヤードやボウリングなどの娯楽施設がもうけられ、日本初の西洋式のバーも併設されました。
ホテルを「社交の場」ともとらえていた欧米の人々には、こうしたパブリックスペースが欠かせないのだったのです。

「ヨコハマ・ホテル」はもうありませんが、同時代にできた「富士ホテル」や「オリエンタルホテル」、明治に入ってできた「帝国ホテル」などは今も西洋風ホテルの老舗として残っています。
これらが現在の日本の高級ホテルの原型です。
ですが、高級ホテルは多くの方にとってはあまりなじみのない、非日常のものでしょう。

では、出張や軽い旅行などで利用するビジネスホテルはいつ頃誕生したのでしょうか?
ビジネスホテルの始まりは、京都発祥の「ホテル法華クラブ」が高度経済成長期に実施したビジネスマン向けのキャンペーンであったと言われています。

当時のホテルの利用客は企業や業界の団体が主で、ビジネスマンが1人で宿泊することはまれでした。
このキャンペーンでは、当時のビジネスマンには必須アイテムであったタイプライターなどを設置し、大浴場や朝食バイキングを設けたそうです。

新鮮で目を引いたこの宿泊プランは、バブル崩壊で団体客の需要が落ち込んだ後、宿泊に特化した「ビジネスホテル」へと受け継がれていきました。

まとめ

ホテルの歴史について解説しました。

新型コロナウイルスの流行を経て、ホテルや旅館といった各宿泊施設の運営方法は大きく変化しつつあります。
ホテル業界は今、その歴史の転換点にあるのかもしれません。

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