江戸時代の街並みが残る美しい飛騨高山のまち。
毎年国内外から多くの観光客が訪れる人気の観光スポットです。
バスに1時間ほど揺られれば、世界遺産に登録された「合掌造り」で有名な「白川郷」もあります。
本記事では、飛騨高山の歴史や観光スポット・年中行事などを解説していきたいと思います。
古き良き街並みが残る飛騨高山
古き良き町並みが残る飛騨高山。
陣屋跡や古民家などが一般に開放されており、当時の人々の生活の様子を垣間見ることができます。
季節ごとのイベントや朝市も必見です。
霜降りのとろけるような味わいが特徴の飛騨牛をはじめとしたご当地グルメや、「さるぼぼ」などのかわいらしい民芸品など、観光スポットだけでなくさまざまな魅力が詰まっています。
ここでは、主に飛騨高山の歴史について掘り下げながら、その魅力に迫っていきたいと思います。
飛騨国の中心地・高山
古くから飛騨国の中心地であった高山。
白鳳時代から交通の要所であり、寺院が多くあったとの記録が残っています。
都の普請に関わった職人も多くいたようで、今も飛騨では木工、金工、漆工などの技術が受け継がれています。
平安時代末期には平家が居館を築き、4代にわたって飛騨の地を治めましたが、飛騨の良馬を求めて攻め込んだ木曽義仲に攻め滅ぼされてしまいます。
鎌倉時代に入ると都で舞楽演奏家として名を馳せた父子が飛騨を治めました。
今も高山に残る祭事はこのころに伝えられたことがベースになっていると考えられています。
室町時代に入ると京極家を中心に争いが絶えず起こり、戦国時代にかけて幾度も大きな戦が起こりました。
金森氏と飛騨高山
秀吉の命によって飛騨を攻略した金森氏は天神山古城に城を築き、城下町とともにかなり大規模な工事を行っています。
高山氏は城下町の発展や諸政策に邁進し、高山の発展に大きく寄与しました。
茶道などの文化発展の振興、寺社の再興など、文化的な面においてもさまざまな支援を行いました。
6代にわたって飛騨高山を治め、発展させてきた金森氏ですが、出羽国に転封となり、飛騨を離れてしまいます。
その後天領(幕府の直轄領)になった高山は金沢藩が実質的に城を守ることになり、元禄8年(1695年)には取り壊しの幕命に従った前田家によって高山城は廃城。
代官が置かれ、飛騨は本格的に天領となります。
天領の高山
現在も建物がそのまま残っている「高山陣屋」で飛騨国を治めた代官は実に25人。
善政を敷いた代官も農民からの反発に遭い大きな一揆を引き起こした代官もいたようですが、その間に伝統工芸や養蚕の技術が発展していきました。
明治以降も政庁が置かれた「高山陣屋」は、半世紀ほど前までは実際に県の事務所として利用されていました。
全国各地に陣屋跡が残されていますが、「高山陣屋」ほどきれいな状態で保存されているものはほかにはありません。
名物の朝市や古い街並みとともに、ぜひ「高山陣屋」も覗いてみてください。
飛騨高山観光
さいごに、飛騨高山の観光スポットやお祭り、イベントなどをご紹介したいと思います。
飛騨高山の古い街並み(さんまち通り)
飛騨高山観光の名物ともいえる、古い町並みが残る通り。
古民家を改装した土産物店やカフェ、酒屋などが立ち並びます。
「日下部民芸館」では、江戸時代の技法が用いられた明治時代の民家が一般に公開されています。
団子の食べ歩きもおすすめです。
高山陣屋
先ほどもご紹介した「高山陣屋」。
江戸時代の政庁の建物がほとんどそのまま残っているので、飛騨国だけでなく、江戸時代の役人たちがどのような場所で仕事をしていたのかをうかがい知ることができる貴重な場所です。
飛騨古川駅
映画「君の名は」の舞台のひとつにもなった飛騨。
なかでも「飛騨古川駅」はアニメの世界観そのままであると、ファンたちの間では有名な聖地巡礼スポットになっています。
ほかにも図書館や神社など、聖地巡礼の旅を楽しむのも良いですね。
宮川朝市・陣屋前朝市
飛騨高山名物のひとつである朝市。
国内最大級の朝市である「宮川朝市」と、「高山陣屋」の前で開催される「陣屋前朝市」があり、民芸品、野菜、漬物、雑貨など、さまざまなものが販売されています。
お土産選びにも困りませんし、ただ歩いているだけでも楽しい場所です。
高山祭
秋の「高山祭(八幡祭)」と春の「高山祭(山王祭)」で構成されている「高山祭」。
「飛騨高山まつりの森」や「高山祭屋台会館」では、実際に使用される屋台を、年間を通して見ることができます。
まとめ
飛騨高山の歴史や観光スポット、イベントなどについて解説しました。
古き良き街並みが残る飛騨高山は、どの季節に訪れても美しい場所です。
豊かな自然と人々の営みが共存し、綿密に歴史を重ねてきたことがうかがえます。
大阪からも東京からもちょうど良い距離にあるので、ぜひ一度旅行してみてください。