北側には日本海、南側には中国山地がそびえ、離島の隠岐諸島や汽水湖である「宍道湖」を有する島根県。
豊かな自然に囲まれ、美味しいグルメや屋外アクティビティが豊富な観光客にも人気のエリアです。
また、自然だけでなく歴史や神話ともゆかりの深い場所。
言わずと知れた「出雲大社」や、世界遺産にも登録されている「石見銀山」、「山陰の小京都」とも呼ばれる「津和野」など、歴史ロマンを体感できる観光スポットも豊富です。
本記事では、島根県の定番観光スポットをご紹介していきたいと思います。
神々が集まる神話の国
古くから人々の信仰の拠り所になってきた「出雲大社」で有名な島根県。
年に一度、全国津々浦々に存在する八百万の神々が「出雲大社」に集結することから10月は「神無月」と呼ばれることもありますが、その「出雲大社」がある島根県では「神在月」と呼んでいます。
島根県は、ほかにもさまざまな神話に関連する観光スポットがある神話の国です。
「古事記」にも度々島根県のことが登場し、古くから大陸との繋がりの深い発展した場所であったことがうかがえます。
エリアごとに異なる魅力を持つ島根県は、目的に応じてさまざまなスタイルの旅行を計画することが可能です。
ここでは島根県を、出雲・松江エリア、雲南・安来エリア、石見・浜田エリア、隠岐エリアの4つに分けて見ていきたいと思います。
出雲・松江エリア
まずは「出雲大社」や「松江城」がある出雲・松江エリアから。
縁結びの御利益もある「出雲大社」は県内随一の観光スポット。
巨大なしめ縄や鳥居には圧倒されます。
古代の出雲大社や「出雲国風土記」の時代の様子を再現したジオラマや出雲の歴史に関する展示を見ることができる「島根県立古代出雲歴史博物館」は、「出雲大社」に隣接する博物館。
「出雲大社」へ参詣する際はぜひ立ち寄ってみてください。
国譲りの神話や国生みの神話とも関係の深い島根県。
「稲佐の浜」は「神在月」に八百万の神々をお迎えする神聖な浜です。
オロチ退治で有名な須佐之男命(すさおのみこと)を祀る「須佐神社」も著名な観光スポット。
このように、出雲地域には神話に関連する観光スポットが数多くあります。
現存する12個の天守のうちのひとつを有する「松江城」も、島根県の定番観光スポット。
国宝にも指定されている天守は、桜のシーズンになるとより多くの観光客でにぎわいます。
城を囲む堀を小舟でまわる「ぐるっと松江堀川めぐり(堀川遊覧船)」を体験したり、城下町の風情ある街並みや武家屋敷も見学してみてください。
海水と淡水が混じる汽水湖である「宍道湖」では、独自の生態系が発達しています。
「島根県立宍道湖自然館ゴビウス」では、「宍道湖」に生息する生き物たちを紹介するだけでなく、観察したり触れあったりすることも可能です。
雲南・安来エリア
たたら製鉄で有名な雲南・安来エリア。
ドラマ「VIVANT」のロケ地にもなった「可部屋集成館」は、菊一印の銘鉄で知られ、松江藩から「鉄師頭取」を拝命した桜井家に代々伝わったものを展示している歴史資料館。
独自に発展したたたら製鉄について知ることができる人気の観光スポットです。
同じくたたら製鉄で繁栄した絲原家に関する展示を行っている「絲原記念館」は、元は藩主の本陣であったことから、与謝野鉄幹・晶子夫妻や近衛文麿といった近代の著名人が訪れたことでも知られています。
室町時代から製鉄業を営んでいた田部家が所有していた土蔵が並ぶ「田部家土蔵群」は、この地域の鉄の生産による興隆を体感できるだけでなく、タイムスリップしたかのような美しい街並みを歩くことができる場所でもあります。
「龍頭が滝」や「鬼の舌震」は、美しい自然が残る景勝地。
どちらも迫力ある自然の力を感じることができる観光スポットです。
石見・浜田エリア
「石見銀山」がある石見・浜田エリア。
世界遺産にも登録された「石見銀山」は、「自然環境と共存した産業遺跡」であることが最大の特徴。
周囲の環境に配慮しつつ開発されたことが認められ、世界遺産登録へ繋がったと言われています。
1715年に開発された「龍源寺間歩」は常時一般公開されており、ノミで掘った跡など当時の作業の様子がわかる部分が随所に残されている、非常に見ごたえのある観光スポットです。
ツアーに参加すれば、石見銀山最大級の間歩である「大久保間歩」も見学することができます。
鉄鋼業などで栄えた熊谷家の住居や衣服、道具などを見ることができる「熊谷家住宅」も併せて見学してみてください。
隠岐エリア
さいごは離島の隠岐エリア。
ユネスコ世界ジオパークにもなっている隠岐諸島は、豊かな自然と独自の文化を肌で感じることができるエリアです。
隠岐諸島の定番観光スポットと言えば「国賀海岸」。
切り立った断崖絶壁と深い青色の日本海を背景に牛が放牧されている風景は唯一無二です。
地層が赤く露出している「赤壁」や、夕陽を灯す巨大な蝋燭のようにも見える「ローソク島」も人気の景勝地。
長い歴史の中で人々の信仰の拠り所となってきた「玉若酢命神社」は、隠岐の歴史と文化を感じることができます。