古き良き城下町の風情が残る島原は、水の都とも呼ばれる清らかな湧水で満たされたまち。
雲仙温泉からも近いとあって、長崎県の中でも定番の観光スポットになっています。
江戸時代最後の大規模な戦乱とも言われている「島原の乱」の舞台にもなった場所で、歴史が好きな方にとってもたまらない場所になっています。
歴史情緒漂うまち並みとレトロでかわいらしい建物、清らかな水が流れる水路には鯉が泳ぎ、どこを切り取っても絵になるフォトジェニックな観光スポットです。
本記事では、島原の定番観光スポットについてご紹介していきたいと思います。
歴史を感じる城下町と清らかな水がつくり出す美しい景観
底が見えるほど透明な清流が流れる島原。
近年の取り組みで水路には色鮮やかな鯉が泳ぎ、古くから残る武家屋敷や町屋などと相まって絵画の中から飛び出したようなまちです。
素朴な味わいの「かんざらし」をはじめ、「島原そうめん」、「貝雑煮」などのグルメも豊富。
島原城を中心に江戸時代の武家屋敷や町屋、近代の洋風建築などが残されており、レトロでかわいらしい景観は女子旅にもおすすめです。
ここでは、島原が辿ってきた歴史を簡単に振り返りつつ、定番観光スポットをいくつかご紹介していきたいと思います。
島原城完成と民衆の不満
島原城を築いたのは、江戸時代に入ってから肥前日野江藩を治めることになった松倉氏です。
それまでにも島原周辺には原城や日野江城といったお城がありましたが、一国一城令に伴い廃城し、新たに島原城を築いたのです。
日野江藩は4万余石ほどのそれほど大藩と呼べるような藩ではありませんでしたが、松倉氏は独立層塔型の5層5階の巨大な天守を築き、それもあって財政難に陥ります。
5層5階というとかなり豪華な天守で、10万石を超えるような比較的大きな藩が持つ天守に匹敵するそうです。
松倉氏は城下町の建設や検地を通して島原城下の礎を築きますが、財政難を補うための重い税やキリシタンの弾圧により民衆の不満を買います。
島原の乱について
藩政に不満を持った民衆たちは、各地の村人たちが蜂起して島原城を襲ったことからはじまりました。
しかし、連郭式平城の強固な島原城は攻め落とされることなく、一揆勢力は一国一城令で廃城になっていた原城に立て籠もります。
3万人前後もの人々が約3か月にわたって籠城しますが、九州各藩をはじめとする幕府軍を前に落城し、島原城主の松倉氏は乱の責任を取って改易。
島原城には高力氏が、高力氏が改易されると松平氏が入り、以後幕末までこの地を治めることになります。
この天草の乱のリーダー的存在が天草四郎と呼ばれる少年で、キリシタン大名であり、関ヶ原の乱の際に処刑された宇土城主・小西行長の家臣の子でした。
近代以降の島原
明治時代に入ると、島原城もほかのお城と同じく廃城令によって解体されてしまいます。
城の跡地は畑や学校として利用されますが、戦後に入ると人々の強い熱意により復興天守が建設されました。
島原の定番観光スポット
島原城
「島原の乱」の舞台でもあり、城下町としての島原の中心となっているまちのシンボル・島原城。
現在のものは復興天守ですが、日本百名城に選ばれています。
このお城で行われている少し珍しいイベントが「島原城秋のレンコン堀り大会」。
島原城がかつて畑であった時に自生したレンコンを掘り当てるイベントで、掘ったレンコンはそのまま持ち帰ることができます。
島原武家屋敷通り
島原城下にある江戸時代の風情を残した通り。
山本邸、篠塚邸、鳥田邸の3邸が無料で公開されています。
武家屋敷とそのわきを流れる水路の清らかな水が水の都・島原らしい風景です。
湧水庭園 四明荘
島原の湧き水の清らかさを象徴するような庭園。
清らかな水で満たされた池に浮いているかのように屋敷が建っており、鮮やかな緑の庭園の中を色とりどりの鯉が泳ぐ涼やかな光景が広がっています。
しまばら水屋敷
松尾家、石川家が所有していたもので、もとは豪商・中山要衛門の屋敷として建てられた建物。
一回はカフェに改装されており、島原名物・かんざらしをいただくことができます。
手作り体験も行っているそうなので、ぜひチャレンジしてみてください。
青い理髪舘
大正12年に開業した小林理髪館の建物。
当時流行りの木像洋館で、青色の塗装がレトロなかわいらしさを引き出しています。
老朽化で取り壊される予定でしたが、地元の方々の支援で喫茶店やギャラリーとして利用されるようになりました。
旧平戸屋・保津川邸
江戸時代に建てられた大型の町屋です。
島原街道を行き来していた旅人たちが利用した旅籠で、幕末の重要人物・吉田松陰も宿泊しました。
宮崎酒店
明治時代に建てられた木造二階建ての建物。
現在も酒屋として使用されています。
浜の川湧水
60か所以上ある島原の湧水の中でも特に人々の生活の知恵が垣間見える場所。
4つに区分けされていて、それぞれのブロックごとに洗えるものが決まっています。
水を有効活用するための生活の知恵です。