京都府と聞くと、多くの方は「清水寺」や「金閣」など、かつて都が置かれていた京都市内を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
日本人だけでなく多くの外国人をも魅了する京都市は、深刻なオーバーツーリズムに悩まされており、観光する私たちの側からしてもあまりにも人が多すぎると少し辟易としてしまいますよね。
そこで本記事では京都市外を中心に、これまでとは少し違った京都府の魅力を探っていきたいと思います。
1000年続いた平安京を中心に栄えた京都府
1000年の都・京都。
明治維新に東京へ「奠都」されるまで、1000年以上も日本の政治・宗教・文化の中心でした。
正式な「遷都」ではなく「奠都」ですので、京都に昔から住んでいる方の中にはいずれ京都に日本の首都が返ってくると考えている方もいらっしゃいます。
現に文化庁の庁舎も京都に移転しましたし、日本の文化の中心は京都へ戻りつつあるのかもしれません。
京都観光と言えばかつて御所があった場所を中心とした「洛中」と呼ばれるエリアを見て回ることが主流ですが、京都府の魅力はそれだけではありません。
北は日本海に面し、山も多くある京都府は、非常に自然に恵まれた美しい地域です。
ここでは京都府を、京都市内、丹波エリア、丹後・舞鶴エリア、宇治エリア、乙訓エリアの5つに分けて、いつもとは少し違った京都の姿を見ていきたいと思います。
京都市内
まずは多くの方が京都と聞いて思い浮かべるような有名観光地がそろっている京都市内から。
修学旅行の定番でもありますので、一度も京都に訪れたことがないという方はぜひ京都市内から観光してみてください。
京都市内の中でも、奥嵯峨と呼ばれる地域はゆったりと観光できるスポット。
日本で唯一髪にご利益があるとされる「御神神社」や、安土桃山時代の建築物が保存されており、庭園の四季の移ろいも美しい「常寂光寺」、「大沢池」で有名な「大覚寺」など、京都らしさがありながらも個性的な寺社仏閣がたくさんあります。
駅前で自転車を借りて、京都の街並みや自然を楽しみながら観光するのがおすすめです。
京都市内はどこも混み合いますから、比較的観光客が少ない早朝や夕方などを狙うとゆっくりと観光できるかと思います。
京都市の観光オフィシャルサイトにはリアルタイムの混雑情報も掲載されていますので参考にしてみてください。
丹波エリア
府のなかほどに位置し、自然豊かな山々が広がる丹波エリア。
のどかな田園風景が広がり、どこか懐かしい雰囲気が漂っています。
紅葉、渓流、そしてかわいらしいトロッコの組み合わせが印象的な「保津峡」。
山々の自然を眺めながらの川下りも定番の観光です。
色とりどりの落ち葉が参道を彩る「龍穏寺」も紅葉の名所。
風情ある境内の雰囲気も素敵です。
明智光秀ゆかりの「丹波亀山城」や、桜が美しい「福知山城」、「日本最後の城」と言われている「園部城」など、お城がたくさんある地域でもあるので、興味のある方はぜひお城巡りをしてみてください。
丹波エリアの観光にはレンタカーやカーシェアリングなどを利用するのがおすすめです。
丹後・舞鶴エリア
日本海に面した丹後・舞鶴エリア。
宮津湾にある「天橋立」は言わずと知れた景勝地。
名物「股覗き」は美しい景色を堪能することができますが、事故も起きていますので周囲の方は十分に注意してください。
まるで海に浮かんでいるように木造の家々が並んでいる「伊根の舟屋」も人気の観光スポット。
1階部分が海に繋がっていて船が納められており、2階部分が居住スペースになっています。
海軍ゆかりには舞鶴はさまざまな船が停泊しており、劇場版「名探偵コナン」に登場したことで話題になりました。
海軍や海上自衛隊に関連したスポットは、船が好きな方にはたまらないと思います。
レトロな雰囲気の「舞鶴赤れんがパーク」は、さまざまな映画のロケ地にもなった場所。
館内は世界的にも珍しいレンガをテーマとした博物館で、レンガの歴史などを学ぶことができます。
夕日が美しい「夕日ヶ浦温泉」で1泊してゆっくりと過ごすのも良いですね。
海沿いのこのエリアはレンタサイクルで海岸線を走ると気持ちが良いですよ。
宇治・乙訓エリア
さいごは「平等院鳳凰堂」やお茶で有名な宇治エリアと、「竹取物語」の世界に飛び込んだかのような幻想的な竹林が広がる乙訓エリア。
10円玉でおなじみの「平等院鳳凰堂」は、摂関政治の栄華を象徴するような雅できらびやかな寺院。
周辺は源氏物語「宇治十条」の舞台になったことでも知られ、「源氏物語ミュージアム」などの観光スポットもあります。
日本のお茶の栽培のはじまりである宇治には抹茶スイーツを取り扱っているお店も多くあるので、ぜひ観光の合間のおやつにいただいてみてください。
竹林の中を2キロメートル近く続く「竹の径」は幻想的な空間が広がる人気の観光スポット。
敷地内にある「京都市洛西竹林公園」ではさまざまな種類の竹を見ることができ、展示コーナーには「竹取物語」に関する展示もあります。
長岡京の史跡や奈良時代から連綿と続いている寺社を訪れて歴史ロマンに浸るのも良いですね。