白壁の蔵屋敷と西洋建築が調和し、独特の景観を作り上げている美しいまち・倉敷。
特に倉敷美観地区は美しいまち並みが広がり、毎年国内外から多くの観光客が訪れる人気の観光スポットです。
倉敷駅から美観地区までは徒歩で15分とアクセスが良く、車が無くても気軽に観光できます。
歴史的な景観だけでなく、近年は全国屈指の国産ジーンズの聖地としても有名です。
本記事では、倉敷の歴史や定番観光スポットについてご紹介していきたいと思います。
江戸時代の建物と洋風建築が調和した美しいまち並み
江戸時代の建物と明治以降の洋風建築がお互いにうまく調和した美しいまち並みが特徴的な倉敷。
江戸時代の北前船で大きく発達し、近代化に伴って紡績のまちとしてさらに飛躍した倉敷は、それぞれの時代の興隆を思わせる美しい建物が建ち並び、国内外から大きな注目を集めています。
幻想的な雰囲気が広がる夜のライトアップも人気です。
ここでは、倉敷美観地区を中心に、倉敷の歴史や見どころ、観光スポットなどを見ていきたいと思います。
倉敷と北前船
幕府の直轄地である「天領」であった倉敷は、近世以降開拓が進んだものの、塩分の多い土地は稲作には向きませんでした。
倉敷発展のカギは、北前船に関連した商業です。
「西の浪速」とも呼ばれた商都・倉敷には、さまざまな商家が軒を連ね、華やかな文化が築かれました。
備中南部の物資集散の中継地として発展し、江戸時代中期以降は、綿花やイグサなど単価の高い商品作物の栽培・販売でさらににぎわいます。
港町では塩田を利用した塩の生産も盛んで、それに関連した商いをする家もありました。
このころにはすでに真田紐(さなだひも)や小倉織(こくらおり)などの繊維製品が生産されていたようです。
北前船に乗ってやってきた干鰯(ほしか)やニシン粕(かす)は綿花の肥料用に購入され、くり綿などの綿製品が出荷されるというサイクルが生まれ、倉敷はますます発展します。
倉敷の繊維産業
近代に入ると、倉敷は繊維工業を中心にますます発展します。
明治時代にこのまちで発明された錦莞莚(きんかんえん)は、精緻な文様を織り込んだ高級花莚(かえん)。
欧米への主力商品として海外に広く輸出されました。
伝統産業である紡績、撚糸(ねんし)、織り、染色、縫製の技術も、装いの西洋化に伴って足袋から学生服へと製品を変えながら質の良い衣料品を次々と生産。
倉敷は繊維工業のまちとして栄え、当時最先端の技術を用いて数々の立派な洋館が建てられました。
戦後に入ると、日本で初めて国産のジーンズの生産に成功。
紡績のまち、学生服のまちとして知られた倉敷。
現在は国産ジーンズの聖地として多くの愛好家が全国から訪れます。
倉敷の見どころ
ではさいごに、倉敷の見どころや定番観光スポットをご紹介していきたいと思います。
倉敷川沿い
倉敷らしい、白壁の和風建築とレトロでかわいらしい洋風建築が調和した景観を楽しむなら、まずは倉敷川沿いを散策してみましょう。
どこを歩いても絵になるまち並みに、気分が盛り上がること間違いなしです。
かつて物資を運んだ倉敷川を小舟でゆったりと巡る「くらしき川舟流し」で、水上から倉敷のまちを眺めるのもおすすめ。
チケットは当日券のみなので、到着したらすぐに購入しましょう。
今橋
大正天皇の行幸に合わせて架け替えられた今橋。
石造りの重厚な橋と背後の白壁の建物のコントラストが美しい人気の写真撮影スポットです。
本町通り
美観地区から一本入ったところにある本町通りは、町屋が建ち並ぶ江戸時代の面影を色濃く残した通り。
町屋を利用したさまざまなお店が軒を連ね、お土産選びやお食事を楽しむことができます。
「倉敷帆布」や国産ジーンズのショップもあり、それらを目的に訪れる方も少なくありません。
大原美術館
倉敷の実業家・大原孫三郎が昭和に建てたもので、日本で最初の西洋美術・近代美術の私設美術館です。
ギリシャ神殿風の本館は重厚な印象を与えます。
分館や工芸・東洋館にも注目です。
語らい座大原本邸(旧大原家住宅)
倉敷の発展に大きく貢献した大原家の旧邸を利用しており、なかでは大原家の歴史に関する展示を見ることができます。
国指定重要文化財に登録されており、外観だけでなく日本庭園や蔵も美しい観光スポットです。
倉敷アイビースクエア
近代化産業遺産に登録されている、クラボウ旧倉敷本社工場を改修した複合文化施設。
隣接する倉紡記念館も国の有形文化財に登録されており、日本の近代化の歴史を肌で感じることができます。
倉敷デニムストリート
国産ジーンズ発祥の地である倉敷。
ジーンズショップが建ち並び、自分にあった一着を選ぶことができます。
また、ジーンズにちなんだデニムソフトやデニムまんなど、青色の食べ物も販売されており、思い出作りにもぴったりです。