暖かくて温暖な気候の宮崎県。
市の中心部からのアクセスも良い「青島」は、亜熱帯気候で育つ植物が美しい南国の島。
周辺にはリゾートホテルなどもある人気の観光地です。
九州本土とは異なる独自の植生をしており、ヤシ科の「ビロウジュ」と呼ばれる植物が象徴的。
「海幸・山幸」の神話の舞台にもなった神秘の島で、海岸に広がる「鬼の洗濯板」と呼ばれる奇石が有名です。
本記事では、青島の歴史と定番観光スポットをご紹介していきたいと思います。
「鬼の洗濯板」に囲まれた南国の島
九州本土から橋で繋がっている南国の島・青島。
青島周辺には「鬼の洗濯板」と呼ばれる奇石が広がっており、独特の景観を造り出しています。
「波食棚」とも呼ばれる「鬼の洗濯板」は、水平に堆積した砂や泥が外部から大きな力を受けてわずかに傾き、波に浸食されて凹凸が出来たもの。
岩石海岸によく見られる地形なのだそうで、世界中に同様のものが存在しており、国内では房総半島の南側でも確認できます。
島やその周辺で広く見ることができますが、間近で見るならば「青島神社」の周辺がおすすめ。
「道の駅フェニックス」も「鬼の洗濯板」が見下ろせる絶景スポットです。
神話「海幸・山幸」
青島は古事記や日本書紀にも登場する島。
「海幸・山幸」という神話と深く関わりがあります。
これは、兄・海幸彦(ウミサチヒコ)と弟・山幸彦(ヤマサチヒコ)のお話で、ある日兄から借りた釣り針を弟が無くしてしまい、兄に代わりのものを渡しても許してもらえず途方に暮れるところから物語は始まります。
山幸彦が途方に暮れていたところ、塩筒大神が現れ、船で海の中へ探しに行けと助言。
山幸彦は海の世界で豊玉姫(トヨタマヒメ)と出会い、やがて結婚します。
それから3年経っても釣り針は見つからず、山幸彦がため息をついていると、それを聞きつけた豊玉姫が父の海神の力を借りて鯛の喉から釣り針を発見しました。
無事に地上に戻れることになった山幸彦は、意地悪をした兄を一度懲らしめ、それからは兄弟仲睦まじく暮らしたそうです。
「彦火火出見命(=山幸彦)」「豊玉姫命」「塩筒大神」の三神をお祀りする青島神社は、はっきりと始まりがわかっているわけではありませんが、平安時代や鎌倉時代の記録にも登場する歴史ある神社。
青島を代表する観光スポットです。
青島へのアクセス
宮崎市内にある青島は、市街地や他の観光地へのアクセスもいい立地にあります。
九州本土とは橋で繋がっており、レンタカーなどを使えば空港からは約15分、駅からは約25分でたどり着くことができます。
電車や路線バスも通っており、空港からは35~40分ほどかかります。
車では橋を渡ることができないので、駅・駐車場からは徒歩で青島へ。
橋の上からは「鬼の洗濯板」を眺めることもでき、旅への期待感を感じながら海を渡り島へ入ります。
島へ渡るとすぐに青島神社の鳥居が見え、スムーズに観光できるのも魅力です。
青島の定番観光スポット
ではさいごに、青島の定番観光スポットをいくつかご紹介していきたいと思います。
鬼の洗濯板
冒頭でご紹介した「鬼の洗濯板」。
神社や道の駅など鑑賞スポットがいくつかあり、場所によって違う見え方をするのも面白いポイント。
自然の営みに圧倒される青島の名物です。
青島神社
先ほどもご紹介した神話と深い関わりのある「青島神社」。
神話に絡んだ神秘的な由緒や縁結びのパワースポットとして有名な神社ですが、境内の唯一無二の景観にも注目。
亜熱帯植物に囲まれた参道や朱色の建物は他では見ることができません。
お札に願い事を書いて井戸に溶かす「海積祓い(わだつみはらい)」や、願い事をつぶやきながら素焼きの皿を投げ入れる「天の平瓮(あまのひらか)」、本宮の夫婦ビロウの木に色の付いたこよりを結ぶ「産霊紙縒(むすびこより)」などが体験できます。
幸せの黄色いポスト
SNS映え間違いなしの青島のフォトスポット。
ポストの明るい黄色と、背後の海の青色や植物の緑色のコントラストが爽やかな画をつくり出しています。
ここに手紙を投函すると幸せになれると言われているそうです。
宮交ボタニックガーデン青島
青島へ渡る橋の近くにある、青島特有の亜熱帯植生を存分に楽しめる植物園です。
無料で立ち入ることができ、園内にはカフェも併設されています。
南国の花々を眺めながらゆったりと観光できるスポットです。
各種アクティビティ
南国の島・青島ではマリンスポーツも盛ん。
波が穏やかなので、シーカヤック、シーサップなど、初心者でもさまざまなアクティビティを楽しむことができます。
また、サーファーの聖地としても有名な宮崎。
もちろん青島でもいい波が来るそうで、初心者もサーフィン体験ができます。
マリンスポーツ以外にも、海を眺めながらのサイクリングやウォーキングも気持ちがいいです。