宮崎県を代表する観光スポットである天岩戸神社。
車があれば、全国的にも有名な景勝地である高千穂峡からもすぐに移動できる場所です。
天岩戸神話と深い関わりのある由緒ある神社で、毎年多くの観光客が訪れます。
美しい自然に囲まれた神秘的な空間が広がっており、周囲は自然散策にもぴったりです。
本記事では、天岩と神社の歴史と見どころについてご紹介していきたいと思います。
天岩戸神話について
まずは、天岩戸神社に参拝する前にぜひとも知っておきたい天岩戸神話について簡単に見ていきましょう。
日本神話の中で乱暴者として描かれている須佐之男命(すさのをのみこと)の狼藉を目にした天照大御神(あまてらすおおみかみ)は心を痛め、天岩戸にお隠れになってしまいます。
天照大御神は太陽の光を司る神様。
朝日が昇らない世界に困ったほかの神々は、集まって天照大御神をどうにかして外へ連れ出す術はないものかと話し合います。
そこで神々は天岩戸の前で歌い踊り、笑い声で天照大御神を誘い出そうという作戦を考えつきました。
外のにぎやかな様子をいぶかしんだ天照大御神がわずかに天岩戸を開けた隙に、力の強い天手力男神(あめのたぢからおのかみ)が外へ連れ出すことに成功します。
これにより世界に太陽の光が戻り、神々の世界に平和が訪れました。
天岩戸神楽
毎年、春季例大祭、秋季例大祭、天岩戸夜神楽三十三番大公開祭に奉納される天岩戸神楽。
天岩戸の前で舞った天鈿女命(あめのうずめのみこと)の舞を伝えるためのもので、すべて合わせると33の演目があります。
五穀豊穣を祈る舞、悪魔を追い払う舞、病除けの舞などで構成されており、終盤に天岩戸神話の神楽を舞うという順番になっています。
事前に予約を入れれば代表的な4つの神楽を拝観することもできるそうなので、神楽に興味のある方や、天岩戸神社での思い出を作りたいという方はぜひ神社に問い合わせてみてください。
天岩戸五社
天岩戸神社周辺には5つの神社があり、これらを総称して「天岩戸五社」と呼んでいます。
天岩戸神社以外の4社には神職の方が常駐しているわけではありませんが、いずれも古くから人々の信仰を集めてきたお社です。
たどり着くまでの道が危ないところもありますので、十分に注意して無理なく参拝を楽しみましょう。
落立(おちだち)神社
伊邪那美命(いざなみのみこと)をお祀りする神社。
安産祈願をする方が多いそうです。
鉾(ほこ)神社
日子穂穂出見命(ひこほほでみのみこと)、豊玉毘売命(とよたまひめのみこと)、菅原道真公(すがわらみちざねこう)をお祀りする神社。
風除の守護神であったそうで、社殿への道のりが険しいことから、峠、山の中腹と社殿を移し、明治に入ってからは現在の場所になりました。
二嶽(ふたつだけ)神社
八幡大神(はちまんおおかみ)、若宮大神(わかみやおおがみ)、菅原道真公(すがわらみちざねこう)をお祀りする神社。
神境には宝永四年(1707)の刻印があるそうです。
石神(いしがみ)神社
国常立命(くにのとこたちのみこと)をお祀りする神社。
神様の遣いである牛をお祀りしたという御由緒があることから、地元では牛神明神とも呼ばれています。
天岩戸神社の見どころ
ではさいごに、天岩戸神社の見どころをご紹介したいと思います。
天岩戸遥拝所
天照大御神がお隠れになったと言われている天岩戸。
神職の方の付き添いのもと遥拝所にお参りすることができます。
ホームページに案内時間が記載されているので、その時間に「休憩所」へ集合して向かうような流れです。
招霊(おがたま)の木
西本宮の境内にあり、天鈿女命がこの木の枝を持って舞ったと言われています。
毎年春先には白い小さな花を咲かせます。
手力男命戸取像
天岩戸神楽のワンシーンをかたどった像。
手力男命が岩の戸を取り払う様子を表しています。
芭蕉句碑
「梅が香にのつと 日乃出る山路哉 はせを」という、高千穂を詠んだ芭蕉の句の句碑です。
「炭俵」に収録されており、この地方の早春の様子を活き活きと表現しています。
天岩戸徴古館
数多くの貴重な考古資料、土器、石器などが収蔵されている資料館。
入場料は、大人が300円、18歳以下の子どもは無料です。
天安河原
西本宮から延びる自然豊かな遊歩道を歩き太鼓橋を渡ると、天安河原が見えてきます。
神話の中で神々が天照大御神をどう岩戸から連れ出すかを話し合った場所です。
小石を積むと願いが叶うという言い伝えがあるので、ぜひチャレンジしてみてください。
石を積む際は、3つや5つなど、奇数個積むと縁起が良いと言われています。
東本宮
観光としては西本宮がメインなのですが、お時間のある方はぜひ東本宮へも参拝してみてください。
天照大御神が天岩戸から出たあと最初に住んだ場所で、静かな境内には清浄な空気が張り詰めています。