長い歴史と圧巻の絶景!大谷観音の歴史・見どころと周辺観光スポット

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長い歴史と圧巻の絶景 大谷観音の歴史・見どころと周辺観光スポット

平安時代、弘法大師の手によって彫られた大谷観音。
日本最古の磨崖仏と言われ、古くから関東屈指の霊場として知られていました。

周辺には、かつて宇都宮の産業を支えた大谷石(おおやいし)に関する観光スポットや、岩壁と植物の緑が調和した独特の景観を楽しむことができるスポットがあります。
主要な観光地がコンパクトに集まっており、宇都宮観光の一環として訪れることも可能です。

本記事では、大谷観音の歴史や見どころ、周辺の観光スポットについてご紹介していきたいと思います。

弘法大師作の日本最古の磨崖仏

天然の岩壁に囲まれた大谷寺は、810年に弘法大師によって開かれました。

御本尊である千手観音像は弘法大師の手によって彫られた日本最古の磨崖仏で、大谷観音と呼ばれています。
境内周辺は岩壁と緑に囲まれており、唯一無二の絶景が楽しめる場所です。

お寺の境内にある宝物館で展示されている縄文時代の人骨や、境内の近くにある巨大な平和観音も定番観光スポットとして知られています。

大谷石とは?

ここで、これまでにも何度か登場した大谷石(おおやいし)について触れておきたいと思います。

大谷石は栃木県宇都宮市にある大谷町を中心に分布する軽石火山礫凝灰岩で、1500~2000万年ほど前の噴火によって生じた火山灰や軽石岩片が海底に蓄積、固結したものです。
緑泥石などの緑色の鉱物を含むため全体的に緑がかっており、緑色凝灰岩(グリーンタフ)と呼ばれることもあります。

ほかの石材と比べると軽く、耐火性に優れているため石窯や焼却炉の石材に向いています。
柔らかく加工が容易であるため、石仏にも向いているのです。

大谷町には今も大谷石を採掘している場所や、かつて大規模に採掘していた場所、大谷石の奇岩群などがあり、大谷石の歴史や大谷石が造り出した自然に触れることができる観光スポットとして人気を集めています。

大谷観音と大谷寺の歴史

大谷寺の観音堂の上に覆いかぶさるようにある大谷石の奇岩は、自然の浸食によってこのような形になったと言われています。
境内からは縄文時代の人骨や遺物が発掘され、かなり古い時代から人々が暮らしていたことがうかがえます。

先ほどもご紹介したように、大谷寺は平安時代に弘法大師によって開かれました。
鎌倉時代に入ると坂東(関東)の名高い霊場として知られるようになり、人々の信仰を集めましたが、大谷寺を庇護していた下野宇都宮氏が織豊期に改易されたのを境に、衰退の一途をたどります。

江戸時代に入ると、徳川家康の長女であり奥平信昌の正室である亀姫が、父・家康が祀られている日光と幕府がある江戸の中継地点であるこの地を復興し、住職による中興を支援しました。
亀姫により保護された石仏は非常に良い保存状態で今日まで残っており、国の重要文化財に御指定されています。

大谷寺の見どころ

まずは、大谷寺の見どころから見ていきたいと思います。

大谷観音・石仏群

弘法大師が岩壁に掘ったと言われている大谷観音はまさに大谷寺の顔。
高さ4メートルにもなる巨大な千手観音像で、日本最古の磨崖仏です。

御本尊である千手観音像とともに配されている、釈迦三尊、薬師三尊、阿弥陀三尊などの10体の石仏も非常に貴重なもので、国の重要文化財に指定されています。

宝物館

1万年以上前の「縄文最古の人骨」が展示されていることでも知られる大谷寺の宝物館。
ほかにも、お堂の下から発掘された石器や土器、平和観音の模型などが展示されています。

弁天堂

池のほとりにある真っ赤な祠のようなお堂。
この池に住んでいた悪さをする毒蛇が改心し、白ヘビとなって弁財天にお仕えしたという話が「大谷縁起」に記されています。

御止山

「陸の松島」と称される景勝地。
大谷石奇岩群と赤松のコントラストが楽しめ、石碑がある頂上付近からは大谷石の岩壁や大谷公園を一望できます。

周辺観光スポット

続いて、大谷寺の周辺観光スポットをご紹介します。

大谷資料館

ひんやりとした地下空間に広がる神殿のような神秘的な空間。
「資料館」という名前が付いていますが、かつて宇都宮の産業を支えた大谷石の、大正から昭和にかけて約70年をかけて掘り進められた採掘場跡です。
手掘りの跡が残る岩肌の感触をじかに触れて感じることができます。

非日常的な雰囲気のある空間が広がっており、特撮のロケ地としても使用されました。
天井と壁の隙間から光が差し込む「教会ゾーン」では挙式することも可能なのだそうです。

大谷景観公園

大谷寺や大谷資料館からほど近い場所にある芝生公園。
周囲には岩壁がそびえ、御止山も見ることができます。

大谷公園(平和観音)

高さ27メートルの巨大な平和観音がそびえる公園。
露天掘りの大谷石の岩肌がむき出しになっている独特な景観を持つ公園で、シンボルとなっている平和観音は戦没者の慰霊と世界平和を祈願して造られました。

カネホン採石場

現在も露天掘りで大谷石を採掘している現場をガイド付きで見学することができるスポット。
ものづくり体験や宝探しなど、親子で楽しめるアクティビティが盛りだくさんです。

まとめ

大谷観音の歴史や見どころ、周辺観光スポットについて解説しました。

長い歴史を持つ大谷観音と、宇都宮のまちを支えた大谷石。
自然が造り出す唯一無二の景観と歴史を感じさせる場所です。

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