千葉県を代表する観光スポットであり、全国に400ほどある香取神社の総本社でもある香取神宮。
三重県の伊勢神宮、茨城県の鹿島神宮とともに日本三大神宮に数えられている由緒ある神社です。
風情ある商店街や、「北総の小江戸」と呼ばれた佐原のまち並みなど、周辺の観光スポットも充実。
しんと静まり返り、豊かな自然に囲まれた境内には厳かな雰囲気が漂い、歩いているだけで身も心も洗われていくような気持ちになります。
本記事では、香取神宮の歴史や見どころについてご紹介していきたいと思います。
3000年以上の歴史を持つ下総国一宮
一説には3000年を超えるとも言われる長い歴史を持つ香取神社。
東国三社、日本三大神宮などと呼ばれることもある由緒ある神社です。
日露戦争で活躍した東郷平八郎の手による「香取神宮」の額が掛かる楼門や、徳川幕府によって造営された本殿など、香取神宮の歴史の長さと人々からの信仰の篤さを感じられるものも多数境内に残されています。
大小の社殿が並び、緑に囲まれた広大な敷地の境内は散策にも最適です。
豊かな自然に囲まれ、歴史ある建物が並ぶ香取神宮は、まるで空間そのものが大きな力を持っているかのように感じます。
香取神宮のはじまり
まずは香取神社のはじまりについて見ていきましょう。
香取神宮がお祀りする経津主大神(ふつぬしのおおかみ)は、出雲を舞台にした「国譲り」の神話にも登場する神様です。
争いが絶えない葦原中国(あしはらのなかつくに。地上の世界)を治めるべく派遣した神々が次々と裏切り、どうにかならないかとほかの神様へ相談した天照大神(あまてらすおおかみ)は、鹿島神社の御祭神である武甕槌大神(たけみかづちのかみ)と経津主大神を出雲へ派遣します。
二神が十握剣(とつかのつるぎ)を引き抜いて逆さに突き立てると、その武威を認めた出雲国の大国主神(おおくにぬしのかみ)は天照大神の命令を聞き、葦原中国を守りました。
大国主神から平国の広矛(くにむけのひろほこ)を譲り受けて国を守った二神は国家鎮護の神様として広く親しまれ、現在も勝運や災難厄除けにご利益があると言われています。
香取神宮と徳川幕府
香取神社と並び称される伊勢神宮は、20年に1度の式年遷宮を行っていることで知られています。
香取神宮も鎌倉時代ごろまでは式年遷宮と同様の慣習があったそうなのですが、南北朝時代ごろになると徐々にそれも難しくなり、江戸時代の初め頃になるとすっかり廃れてしまっていました。
江戸時代に入り、戦乱の時代が終わりを迎えると、御三家をはじめとする各地の大大名たちはこぞって領内の神社仏閣の復興に力を入れ始めます。
香取神宮は有力大名の領地ではなく、天領(江戸幕府の直轄地)にあったため、江戸幕府が大改修を行うことになりました。
現在の主な社殿は、生類憐みの令を出したことでも知られる5代将軍・徳川綱吉の時代に造営したものです。
本殿をはじめ、現存する建物の多くはこの時代に造られました。
楼門の額は近代に活躍した東郷平八郎によるもので、拝殿や幣殿は昭和に造られたものです。
香取神宮の見どころ
さいごに、香取神宮の見どころについて見ていきましょう。
大鳥居
参道正面にある2番目の鳥居。
朱色の鳥居と桜のコントラストが美しいフォトスポットです。
参道
玉砂利が敷かれ、深く木々に囲まれたどこか厳かな雰囲気が漂う参道。
両脇には桜や楓が植えられており、参拝者の目を楽しませてくれます。
楼門
東郷平八郎の手による額が掲げられた、香取神宮のシンボル的な建造物。
造営は江戸時代です。
本殿
江戸時代に造営され、国の重要文化財にも指定されている本殿。
檜皮葺の屋根に黒漆を基調とした極彩色の社殿は、江戸時代の寺社建築を代表する絢爛豪華で美しい造りになっています。
奥宮
御祭神の荒魂(あらみたま)が祀られている社殿。
昭和48年の伊勢神宮式年遷宮の際の古材が使われています。
要石
古くから地震が多かったこの地域では、地下に大きなナマズがいて暴れているのだと信じられていました。
香取神宮と鹿島神宮の御祭神が石棒を地中深くに差し込み、このナマズを退治したと伝わっており、この要石は石棒の頭の部分であると言われています。
宝物殿
香取神宮が所蔵する貴重な品々を展示している場所。
なかでも国宝「海獣葡萄鏡」は日本三銘に数えられることもある貴重な品です。
鳥居河岸(津宮浜鳥居)
香取神社の御祭神である経津主大神が海路から上陸したと伝わる場所。
利根川に面した石造りの鳥居が美しく、香取神社を訪れた際にはぜひ見ておきたい場所です。
まとめ
香取神宮の歴史や見どころについてご紹介しました。
豊かな自然と長い歴史を持つ由緒ある香取神宮は、千葉県を代表する観光スポットであり、関東屈指のパワースポットでもあります。
周辺の観光スポットも充実しているので、香取神宮へ心洗われる旅に出かけてみてはいかがでしょうか。