長い間、人々の生活と信仰に寄り添ってきた寺社仏閣。
歴史上の有名人が関わっているものも多く、その土地の歴史、自然、文化を深く知り、体感できる場所になっています。
また、建立された当時の優れた建築様式、美術、技術、文化芸術の粋が集められているだけでなく、静謐な空気感に浸ることができるのが寺社仏閣です。
本記事では、ぜひとも行ってみたい、北海道・東北地方の寺社仏閣についてご紹介していきたいと思います。
北海道・東北地方の寺社仏閣
山海の豊かな自然が広がる北海道・東北地方。
美しい自然とそれに対する人々の深い信仰を感じられる寺社仏閣が多いです。
その地域の歴史、自然、文化が調和した空間である寺社仏閣。
観光の合間に気軽に立ち寄ることができるのも魅力のひとつです。
ここからは、北海道・東北地方の寺社仏閣をいくつかピックアップしてご紹介していきたいと思います。
北海道
大谷派東本願寺函館別院(北海道)
日本で初めて鉄筋コンクリートで造られたお寺で、国の重要文化財に指定されています。
木造寺院が明治40年(1907年)に焼失してしまったことを受けて、大正4年(1915)、火災に強い鉄筋コンクリート製に建て替えられました。
当時まだ珍しかった鉄筋コンクリートは、人に踏まれた砂利を材料とすることや、安全性の面などから反対の声も多く、建立までにはさまざまな苦労があったそうです。
市電からのアクセスも良いので、函館観光の際にはぜひ立ち寄ってみてください。
東北地方
蕪島神社(青森県)
商売繁盛や漁業安全にご利益がある弁財天をお祀りする蕪島(かぶしま)神社。
「蕪」と「株」が同じ読みをすることから、株価や人望の上昇にご利益があると言われており、「かぶあがりひょうたん御守」が人気を集めているそうです。
蕪島はウミネコの繁殖地としても知られており、国の天然記念物に指定されています。
中尊寺(岩手県)
奥州藤原氏が栄華を極めた平泉を象徴するお寺。
なかでも黄金に輝く金色堂は、黄金の国・ジパングの名前の由来になったと言われています。
黄金の輝きの秘密は、北上川で獲れる砂金。
奥州藤原氏は、この砂金を使って交易をして、平泉の繁栄を築いたのです。
黄金に囲まれた空間は、権勢を誇った奥州藤原氏の財力とともに、極楽浄土への強い願いも感じることができます。
毛越寺(岩手県)
歴史書「吾妻鏡」の中で、「吾朝無双(他に類を見ないほど立派なお寺であるという意味)」と記されるほど豪華絢爛であった毛越寺。
度重なる火災などにより多くの建物を焼失してしまいますが、大池やいくつかの伽藍などは創建当時のまま保存されています。
松尾芭蕉の「夏草や兵共が夢の跡」の句碑やそれを新渡戸稲造が英訳した句碑が残されており、中尊寺に次ぐ平泉の人気観光スポットです。
山寺(立石寺)(山形県)
山寺の愛称で親しまれている立石寺。
「閑さや岩にしみ入る蝉の声」という松尾芭蕉の句でも知られています。
その名の通り自然豊かな山の上に建つお寺で、四季の移り変わりと眼下に広がる絶景を楽しむことができるお寺。
登山口から奥之院までは緩い石段を随分と登らなければなりませんが、駅から登山口までは近く観光しやすい立地です。
上杉神社(山形県)
人気の戦国武将・上杉謙信をお祀りする神社。
境内には、謙信が軍旗としていた「毘」と「龍」の旗が翻ります。
「毘」は毘沙門天を、「龍」は不動明王を表し、どちらも勝負事や合戦に関連した神様で、謙信が生涯を通して篤く信仰していたそうです。
毎年ゴールデンウィークごろに開催される「米沢上杉まつり」では、武者行列や川中島の戦いの再現も見ることができるので、ぜひこの時期を狙って訪れてみてください。
瑞巌寺(宮城県)
かの有名な仙台藩主・伊達政宗によって再建された絢爛豪華な本堂が有名なお寺です。
奥州藤原氏、鎌倉幕府、そして伊達政宗と、時の権力者に保護され、長い間人々に親しまれてきました。
日本三景のひとつである松島が付近にあるので、あわせて訪れてみてください。
同じく伊達氏にゆかりのある大崎八幡宮も美しい権現造りの社殿と境内が人気の観光スポットです。
願成寺白水阿弥陀堂(福島県)
福島県内で唯一、国宝に指定されているお寺。
奥州藤原氏の初代・清衡の娘である徳姫が、夫・岩城則道を供養するために建立したと伝わります。
修復された極彩色の阿弥陀堂の壁が見どころです。
四季折々の境内の歴史ある建物と自然のコントラストが美しく、特に初夏のアヤメや夏の蓮の花、秋のモミジやイチョウの紅葉が美しいことで知られています。
まとめ
北海道・東北地方の寺社仏閣についてご紹介しました。
ご紹介した寺社仏閣はごく一部にすぎませんが、北海道・東北地方にはほかにも魅力的な神社やお寺がたくさんあります。
次のお休みは、寺社仏閣を巡って心も体も洗われるような旅に出かけてみませんか。