古くから都が設置され、寺社仏閣も大きな権力を持っていた近畿地方。
その土地の伝統や情熱が詰まったお祭りに参加してみませんか。
お祭りは旅の中でも特別な思い出として心の中に残ること間違いなし。
本記事では、近畿地方のお祭りについてご紹介していきたいと思います。
近畿地方のお祭り
地域ごとにさまざまな個性を持つ近畿地方では、さまざまなお祭りが催されています。
その土地のその瞬間しかないお祭りの盛り上がりをぜひ体感してみてください。
なお、お祭りのシーズンはホテルも航空券も手配しづらくなってしまいます。
早めに旅行の計画を立てておくと良いでしょう。
ここからは、近畿地方で開催される代表的なお祭りをいくつかピックアップして見ていきたいと思います。
祇園祭(京都府)
日本を代表する夏祭り。
ひと月かけて行われる八坂神社の例大祭で、お祭りのハイライトとなる山鉾巡行はユネスコの世界無形文化遺産にも登録されています。
巡行時や宵山は多くの人で非常に混雑するのでゆっくりと山鉾を見ることはできませんが、「山建て」「鉾建て」と呼ばれる山鉾の組み立てや、「曳き初め」の際には比較的ゆっくりと鑑賞できますよ。
毎年7月に開催されます。
葵祭(京都府)
1500年続く、賀茂御祖神社(下鴨神社)と賀茂別雷神社(上賀茂神社)の例大祭。
東京の神田祭、大阪の天神祭りと並ぶ日本三大祭で、日本が世界に誇る長編小説「源氏物語」の中にもその記述があります。
「路頭の儀」では、斎王代、近衛使、検非違使、牛車など、平安時代の装束を身にまとった人々が練り歩き、まるで絵巻物の中に飛び込んだかのような雅な世界が広がります。
ほかにも平安時代から続く伝統的な儀式が数多行われるので、興味のある方はぜひ見学してみてください。
毎年5月に開催されます。
天神祭(大阪府)
地元で「天神さん」と呼ばれ親しまれている大阪天満宮で1000年以上続く例大祭。
東京の神田祭、京都の祇園祭と並ぶ日本三大祭で、地車、神具、牛車、旗、鉾などが氏地である大阪の中心市街地を練り歩く「陸渡御(りくとぎょ)」は壮観。
川の水面に映る篝火や提灯のあかり、奉納花火の華やかさなどから「火と水の祭典」と呼ばれることもあるそうです。
毎年7月に開催されます。
岸和田だんじり祭り(大阪府)
浜手側と山手側の2回にわたって行われる大阪を代表するお祭り。
その圧倒的な迫力や人々の熱気は全国的にも非常に良く知られています。
4トンもの重さがあるだんじりが勢いもそのままに角を回る「やりまわし」は迫力満点です。
岸和田市内のさまざまな場所で開催されますが、初めての方は最も規模が大きい岸和田駅周辺がおすすめ。
毎年9、10月に開催されます。
お水取り(奈良県)
東大寺で1200年以上続くお祭りで、「修仁会」という法要の中の一部。
二月堂前の「若狭井」という井戸から「お香水」を汲み上げ、観音菩薩にお供えするという行事です。
修仁会の大部分は非公開の厳かな行事なのですが、一般公開されている「お松明」は全国から参拝客が訪れるお祭りのメインになります。
巨大な松明の火の粉を浴びるとその1年は無病息災でいられると言われており、散らばった燃え殻を持ち帰るとご利益があるそうです。
毎年3月に開催されます。
万燈供養会(奈良県)
東大寺の夏の夜を彩るお祭り。
お祭りの際には大仏殿の小窓が開けられ、参道からも大仏様のお顔を拝むことができます。
大仏殿の前には2500もの灯籠が並べられ、ほのかに周囲を照らすさまは非常に幻想的。
毎年8月に開催されます。
十日えびす(兵庫県)
えびす神社の総本社である西宮神社で正月に行われるお祭り。
走り参りを競い合う「福男選び」はその勢いや迫力がすさまじく、メディアでも大々的に取り上げられます。
金運にご利益がある「えべっさん」では、正月に恵比寿詣でをして福笹を授けてもらうのが習わしです。
毎年1月に開催されます。
灘のけんか祭り(兵庫県)
全国的にも有名な松原八幡神社の秋季例祭。
神輿をぶつけ合う「けんか祭り」のなかでも国内有数の規模を誇るお祭りです。
地元では非常に大切にされているお祭りで、お盆シーズンではなくこのお祭りのシーズンに合わせて帰省してくる方もいるそうです。
毎年10月に開催されます。
石山祭り(滋賀県)
滋賀県の古刹・石山寺の例大祭。
新宮神社から石山寺の境内まで神輿が巡行します。
荘厳な装飾を施された神輿が石段を登っていく姿は圧巻です。
毎年5月に開催されます。
まとめ
近畿地方のお祭りについてご紹介しました。
それぞれの地方の伝統や情熱を直に体験できるお祭りは、その土地に訪れたという強い実感を残してくれます。
古くから芸術や文化の中心地として栄えた近畿地方には、長い歴史の中で洗練された世界に誇る日本文化を象徴するお祭りがたくさんあります。
事前の計画をしっかりと立てて、お祭りの雰囲気や息遣いを思う存分楽しんでください。
次の旅行ではぜひその土地のお祭りに出かけてみませんか。