阿蘇山や有明海をはじめ、雄大な自然が広がる熊本県。
九州の温泉と言えば大分県や鹿児島県を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は熊本県も、源泉数・湧出量ともに全国で5本の指に入るほどの温泉大国。
美肌効果のある泉質と、絶景が広がる露天風呂が多いのも熊本県の温泉の魅力です。
本記事では、熊本県の温泉の魅力に迫っていきたいと思います。
夏目漱石も愛した熊本の温泉
生涯で何度も引っ越しを繰り返したことで知られる文豪・夏目漱石。
夏目漱石と温泉と言えば四国の道後温泉が浮かびますが、実は熊本県の温泉とも深い関わりがあります。
漱石が熊本県の旧制第五高等学校で英語教師を勤めていたころに着想を得たとされる小説「草枕」は、熊本県北部にある「小天(おあま)温泉」がモデル。
現在は夏目温泉ゆかりの地として「草枕温泉てんすい」となっています。
道の駅のようになっている大きめの売店が併設されており、地元の人たちからも愛されている公衆浴場です。
漱石が実際に宿泊した部屋と浴場跡が保存されているので、漱石ファンの方はぜひ訪れてみてください。
熊本県内には、ほかにも数多くの歴史ある温泉や観光地化された有名温泉地がたくさんあります。
ここでは数ある熊本県の温泉の中から、定番・おすすめの7つをご紹介していきたいと思います。
黒川温泉
熊本県の温泉と言えば黒川温泉。
「黒川温泉一旅館」というコンセプトのもと、温泉街全体をひとつの旅館に見立て、「入浴手形」などを導入して一躍人気観光地となった全国的にも有名な温泉です。
黒川温泉の魅力は何と言っても豊かな自然。
車やバスを使わなければアクセスは難しいですが、四季を通じて表情を変える山々の自然と、そこに溶け込むレトロな雰囲気の旅館が美しい景観を造り出しています。
観光地としてもしっかりと整備されており、宿泊や日帰り温泉はもちろん、食べ歩きも黒川温泉の醍醐味です。
杖立温泉
1800年以上の歴史があると言われている杖立温泉。
杖立川沿いに湯けむりが上がる風情ある温泉街です。
昭和の時代に「九州の奥座敷」として栄えたこともあって、今も昭和レトロを感じることができる建物や街並みが多く残っており、散策や写真撮影が楽しめます。
川に架かる「もみじ橋」は人気のパワースポットになっていて、屋根の下に願い事を書いた絵馬ならぬ「絵鯉」を吊り下げると恋が成就すると言われているのだとか。
温泉の蒸気を利用した「むし場」で蒸された「杖立プリン」がこの土地の名物です。
内牧温泉
多くの名湯を持つ阿蘇温泉郷随一の規模を誇る内牧温泉。
リゾートホテルや歴史ある旅館が集まる人気の温泉地で、夏目漱石や与謝野晶子・鉄幹夫妻ゆかりの地でもあります。
雄大な阿蘇の山々を望む露天風呂を売りにしているホテルや旅館も多く、まちのレトロな雰囲気も魅力的です。
町湯めぐりが観光の定番で、地元の人々に愛される昔ながらの浴場を巡ると、身体だけでなく心もぽかぽかと温まります。
山鹿温泉
8月に行われる「山鹿灯籠まつり」が有名な山鹿温泉。
細川家ゆかりの「さくら湯」や明治時代の雰囲気が残る「八千代座」など、観光スポットも充実しており、特に豊後街道沿いは見どころがたくさん。
個性豊かなホテルや旅館が立ち並び、日帰り入浴ができるところもあります。
塩気がアクセントになっている滑らかなこしあんをお餅で巻いた「山鹿羊羹」が名物グルメです。
人吉温泉
泉質の特性から硫黄のにおいや湯けむりが立たない珍しい温泉。
人吉城周辺の城下町や、球磨川下り、1200年以上の歴史を持つ青井阿蘇神社など、県内屈指の観光スポットへのアクセスも大変良い人気の温泉地です。
趣向が凝らされた温泉旅館のほか、公衆浴場や銭湯も充実しています。
玉名温泉
1300年以上の歴史があり、大河ドラマの主人公にもなった金栗四三の生まれ故郷として注目を浴びた玉名市にある温泉。
県の北部に位置するため、福岡県からもアクセスが容易です。
自慢の温泉はもちろん、食事や庭にこだわった温泉旅館も多く、日ごろの喧騒や仕事の疲れを忘れ去り、ゆったりと休暇を過ごすには最適な温泉地です。
濃厚九州とんこつが特徴の熊本ラーメンの原型にもなった玉名ラーメンが名物です。
下田温泉
さいごは天草にある下田温泉。
間近でイルカたちと触れ合えるイルカウォッチング、透き通った海とサンゴ礁、魚たちと触れ合うダイビング、美しい教会建築が多く残されている隠れキリシタン関連遺産など、見どころが多い天草エリアの温泉です。
地下水が温泉になっている稀有な温泉で、露天風呂から眺める絶景が魅力的。
夕暮れ時の天草灘を一望する露天風呂は旅の疲れも吹き飛びます。
まとめ
数ある熊本県の温泉地の中でも特に人気の高い7つをご紹介しました。
雄大な自然が広がる熊本県を訪れる際は、ぜひ温泉旅館で一泊して旅の疲れを癒してください。