実は全国第2位の源泉数を誇る鹿児島県。
桜島をはじめとする活発な火山活動を背景に、県内各地にさまざまな温泉があります。
世界的にも珍しい「砂むし」から、ゆったりと心身を休めることができる温泉、山海の自然を堪能できる温泉、さらには離島の絶景を眺めながら浸かることができる温泉まで。
鹿児島県にはバラエティー豊かな温泉がそろっています。
本記事では、鹿児島県の人気温泉地や温泉にまつわる観光トピックをご紹介していきたいと思います。
活発な火山活動が生んだ魅力ある温泉
火山大国である鹿児島県は、地元の人も温泉を身近なものとして楽しんでいる温泉大国でもあります。
「指宿温泉」や「霧島温泉」といった全国的にも有名な温泉地を有する一方で、各地に魅力的な温泉が点在しており、ロケーションや泉質など、非常にバラエティー豊かです。
ここでは数ある鹿児島県の温泉のなかから、特に人気の高い温泉地をいくつかご紹介していきたいと思います。
指宿温泉
まずは「砂むし」で有名な指宿温泉から。
「砂むし」とは、浴衣を着て海岸線に沸く湯で熱された砂の上に横になり、身体の上に砂を盛って温まるというもの。
自分では砂を盛れないので、「砂かけさん」というスタッフの方にしてもらいます。
数分もすれば全身から汗が噴き出し、逃げ場のない熱と心地よい砂の重みが何とも言えません。
腕を砂から出し、おなかの砂を払って起き上がり、シャワーで砂を流してから大浴場に浸かります。
サウナの「整う」ではありませんが、砂から解き放たれたときの爽快感はクセになりそうです。
なかなかほかではできない体験なので、鹿児島に訪れる際はぜひチャレンジしてみてくださいね。
また、指宿は海沿いの温泉地なので、オーシャンビューが素敵な温泉宿もたくさんありますよ。
霧島温泉
指宿と並ぶ鹿児島県を代表する温泉地である霧島温泉。
霧島山系にある温泉地のなかでも特に人気のある温泉地です。
日本で初めて国立公園に指定された霧島の自然に囲まれた霧島温泉は、温泉そのものの泉質もさることながら、四季の移ろいや雄大な景色を楽しみながら温泉に浸かることができるのが最大の魅力。
森と一体化したような露天風呂や、霧島の自然を心ゆくまで堪能できるプライベートリゾート、桜島と海を臨む公衆浴場など、個性豊かな旅館や入浴施設がそろっています。
湯上がりには森の中を散策して心も体もリフレッシュしてみてください。
妙見温泉
妙見温泉も霧島山系を代表する温泉地のひとつ。
鹿児島空港から車で15分という好立地で、天降川(あもりがわ)のせせらぎが聞こえる明光風靡な温泉地です。
ミネラル豊富な温泉水を飲んでその効能を得る「飲泉」ができる温泉地で、散策の際はぜひチャレンジしてみてください。
西郷隆盛と鹿児島の温泉
鹿児島県を代表する幕末・明治維新の英傑である西郷隆盛。
彼は温泉好きなことでも知られています。
狩りや釣りを楽しみながら温泉地に滞在した西郷は、その土地の情景を詠んだ漢詩を多く残しているそうです。
彼が何度も訪れたのが「日向山(ひなたやま)温泉」。
藩主が西郷に会いにわざわざこの日向山温泉を訪れたという記録もあるほどです。
湖畔の小さな温泉である「鰻温泉」も西郷ゆかりの地。
現在も当時と変わらずこじんまりとした佇まいで、人のぬくもりを感じることができる情緒ある温泉です。
唯一無二の絶景とともに!離島の温泉
鹿児島県は人が実際に暮らしている離島が多くある県。
美しいオーシャンビューや南国のダイナミックな自然を堪能できる離島の温泉も魅力的です。
なかでも世界遺産に登録された「屋久島」は、ホテルや旅館はもちろん、日帰りでも楽しめる温泉が多くあることで有名。
トレッキングのあとに汗を流すのも贅沢で良いですね。
干潮時にのみ入浴することができる海中温泉にも注目。
混浴ではありますが、海の波を肌で感じながら入浴するという貴重な経験ができます。
屋久島と奄美大島の間にあるトカラ列島にも絶景を堪能できる温泉があります。
船をチャーターしなければたどり着けないような秘湯もあるそうです。
ほかにも、本土とは違う気候・植生・生態系を楽しみながら、静かに温泉を楽しめる秘湯がたくさんあります。
鹿児島発祥!家族湯について
ではさいごに、鹿児島県発祥と言われている家族湯について見ていきたいと思います。
今でこそ全国的にも見られるようになった家族単位での貸切風呂ですが、その発祥は先ほどもご紹介した「日向山温泉」であると言われています。
小さな子どもや、やんちゃ盛りの子どもを抱えるご家庭では、ほかの利用客に気を遣わなければならない場所よりも、めいっぱい温泉を楽しむことができる家族湯の方がより楽しい旅の思い出ができること間違いなし。
鹿児島県内には日帰りで利用できる家族湯がたくさんあるので、家族旅行の際にはぜひ訪れてみてください。