自然と文化が織りなす美しい風景―加賀温泉郷と周辺観光スポット

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自然と文化が織りなす美しい風景 加賀温泉郷と周辺観光スポット

山と海に囲まれた加賀温泉郷。
自然に恵まれた環境と加賀百万石の豊かな文化が、美しい景観を生み出しています。

加賀温泉郷は、山中温泉、山代温泉、片山津温泉、粟津温泉の4つから成り立っており、それぞれに異なった魅力を持っています。

本記事では、加賀温泉郷のそれぞれの温泉の魅力や歴史、周辺の観光スポットについてご紹介していきたいと思います。

金沢とはまた違った文化を持つ加賀

里山の自然と豊富な海の幸に恵まれた加賀温泉郷。
古くから多くの文化人を魅了してきました。

いずれも1000年以上の歴史を誇る4つの温泉から構成され、「加賀百万石」の影響を受けながらも独自の文化を築いてきました。
美しい自然の景観と歴史情緒あふれる街並みに、身も心も癒されます。
美味しい海の幸や、それぞれの地域が誇る伝統工芸品にも注目です。

ここでは加賀温泉郷の4つの温泉である、山中温泉、山代温泉、片山津温泉、粟津温泉のそれぞれの歴史や魅力を見ていきたいと思います。

山中温泉

「やまなかや 菊は手折らじ ゆのにおひ」と松尾芭蕉が歌に詠み、山中の温泉は体の芯までしみわたり身も心も潤すと称賛したという山中温泉。
芭蕉の句にちなんで名付けられた「菊の湯」という総湯もあります。

1300年前、奈良時代に行基和尚が発見したと言われており、雄大な山々が織りなす美しい景観が魅力的です。

カルシウム・ナトリウム硫酸塩泉で、神経痛、関節痛、動脈硬化、切り傷などに効能があります。

500年近い歴史を持つ「山中漆器」は木目が美しい漆器。
色絵磁器の「九谷焼」は世界的にも知名度があります。

これらの伝統工芸品を購入するなら、ぜひ「ゆげ街道」へ。
土産物屋だけでなく、お食事処なども充実しています。

山代温泉

1300年前に、八咫烏が発見したと言われている山代温泉。
八咫烏はまちのシンボルとなっています。

「湯の曲輪(ゆのがわ)」と呼ばれる昔ながらの温泉地の街並みが残る古き良き温泉街です。
源泉かけ流しの「総湯」は大きな天窓と九谷焼のタイルが特徴的。

明治時代の総湯を復元した「古総湯」は、まるでタイムスリップしたかのような佇まい。
ステンドグラスがはめ込まれた窓と拭き漆の壁、小さくも温かみのある照明が、幻想的な雰囲気を醸し出しています。
夜にライトアップすると、外からもステンドグラスを通した光を見ることができ、また違った表情が見え思わず写真に納めたくなります。

昔ながらの和菓子屋や古民家を利用した飲食店もあり、ノスタルジックなスポットがたくさん。

芸術家・北大路魯山人が若いころに逗留したことでも有名で、「魯山人寓居跡 いろは草庵」には彼の作品や実際に使用していた部屋を見ることができます。

片山津温泉

明治初期に発展した、加賀温泉郷のなかでは比較的新しい片山津温泉。

柴山潟湖畔にあり、日本三名峰のひとつ・白山を望むことができます。
湖畔の遊歩道を散策し、季節の移ろいを感じながらゆったりと自然を堪能するにも最適な場所です。

2012年に出来たモダンな「総湯」は、柴山潟の中に入り込んだような解放感が味わえる「潟の湯」と、木々に囲まれ森の癒しを感じることができる「森の湯」で構成されており、どちらも立地を最大限に活かした造りになっています。

宿泊先も、リゾートホテルのようなところから旅館まで幅広く揃っており、好みに沿った場所を選ぶことができます。

「愛染寺」の「はめ込み式絵馬」が名物になっており、かわいらしい見た目が人気です。

粟津温泉

北陸最古の温泉地である粟津温泉。
1400年もの歴史があり、白山大権現のお告げにより開湯したと言われています。

さまざまな病に効能を持つとされるナトリウム硫酸塩泉の源泉で、現在でも湯治目的で長期滞在する方もいるのだとか。

陶芸体験も行っている「九谷セラミック・ラボラトリー」は、九谷焼の展示だけでなく、国立競技場を設計した隈研吾氏が携わった建物にも注目です。

ほど近い場所にある「那谷寺」は紅葉の名所としても有名で、白山信仰や粟津温泉の開湯にも関わりのある歴史ある観光スポットになっています。

周辺観光スポット

さいごに、加賀温泉郷の周辺にある観光スポットをご紹介したいと思います。

大聖寺

「加賀藩前田家」の分家である「大聖寺藩前田家」が治めた大聖寺。
「山ノ下寺院群」は、当時の街並みが色濃く残る場所。
古地図を片手に街歩きを楽しむのも良いですね。

「加賀百万石」ほどの国力はありませんでしたが、茶道や能などにおいて独自の美意識のもと、豊かな文化が育まれたまちです。

橋立(はしたて)

ズワイ蟹が有名な橋立。
古くは北前船によって栄え、重要伝統的建造物群保存地区に指定された街並みには、石畳や土蔵、赤瓦の屋根の家屋敷などが残されています。
海沿いは漁業が盛んなだけでなく、加佐ノ岬や尼御前岬などの景勝地が広がる美しい場所です。

動橋(いぶりはし)

かつて宿場町として発達した動橋。
歴史ある造り酒屋や献上加賀棒茶の製茶場が今も商いを続けています。

宿場町の活気と、白山の清らかな水が育んだ文化です。
煎じている様子を見学することができる製茶場もあるので、ぜひ訪れてみてください。

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