それぞれの地域の歴史や文化が詰まっているお城。
観光地として整備されているところも多く、旅行の際に立ち寄ることも多いのではないでしょうか。
なんとなく写真を撮って終わり、という方もいらっしゃるかもしれませんが、お城は事前に歴史や見どころを知っておくと、何倍も楽しく観光できます。
本記事では、近畿地方の名城をいくつかピックアップしてご紹介していきたいと思います。
近畿地方の名城
古くから都が置かれた近畿地方。
日本の中心として豊かな文化が花開いた一方で、戦略上の重要地点として、戦乱が絶えなかった地域でもあります。
政治、経済、文化が栄え、軍事拠点としての役割も期待された近畿地方のお城は、華やかさと実戦への備えが両立された名城ぞろい。
ここからは、近畿地方の名城を一つひとつ見ていきましょう。
大阪城(大阪府)
豊臣秀吉が築いたお城。
かつて10年ものあいだ織田信長と交戦状態にあった石山本願寺があった場所に築城されており、地形的にもかなり守りに優れています。
秀吉は大阪城を防衛拠点としてだけでなく、経済の中心としても重要視し、城下にはそれまで大阪の中心であった堺から呼び寄せた多くの商人でにぎわいました。
復元された天守は歴史博物館になっており、大阪や豊臣氏にちなんだ常設展や興味深い企画展が行われています。

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二条城(京都府)
将軍の上洛のために築かれたお城で、防衛拠点としての城郭というよりは、華やかな京の都にふさわしい優美な館。
狩野派による色鮮やかな襖絵や天井の模様が目を惹きます。
建築物としての価値もそうですが、江戸幕府の15代将軍・徳川慶喜が朝廷に政権を返した大政奉還など、歴史の大きなターニングポイントを迎えた重要なお城です。
ユネスコの世界文化遺産にも登録されています。
彦根城(滋賀県)
天守が現存しており、国宝にも指定されているお城。
彦根藩主・井伊氏が治めました。
琵琶湖の湖畔に築かれており、櫓や天守からは美しい湖の景観を楽しむことができます。
彦根はもともと豊臣家の重臣であった石田三成が治めていた地域。
関ヶ原の戦い後に彦根城を築城した井伊氏は、西国大名への牽制も込めて美しく機能的な城郭に仕上げました。
天守以外にも非常に良い状態でさまざまな建物が残されているので、非常に見ごたえのあるお城です。

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長浜城(滋賀県)
琵琶湖の東岸に築かれたお城。
当時、織田信長の重臣であった秀吉が築いたお城です。
琵琶湖水運を利用するには最適な立地で、商業の発展を推奨した秀吉らしさがうかがえます。
関ヶ原の戦いのあと、ほどなくして廃城になってしまいましたが、今は城下の「黒壁スクエア」などがSNSで話題になり、若い世代からも注目を集めているそうです。
復元された天守の内部は歴史資料館になっており、長浜の歴史や秀吉にちなんだ展示がなされています。
秀吉にちなんで名づけられた豊公園は桜の名所としても親しまれています。
安土城(滋賀県)
「近江を制する者は天下を制する」との言葉もあり、都と近く琵琶湖による水運を手中に収めることができる滋賀県は戦国武将が取り合う重要な場所でした。
そのため数多くの名城が滋賀県に眠っているのですが、その中でも桁違いの規模を誇るのが織田信長の安土城。
数々の斬新な政策でのちの世のスタンダードを築いてきた信長のシンボルともいえるお城です。
建物こそ残されていませんが、石段や石垣などは残されており、その城郭の規模を今に伝えています。
姫路城(兵庫県)
天守が現存する国宝のお城であり、ユネスコの世界文化遺産にも登録されたお城。
「白鷺城」の異名でも知られる日本屈指の名城です。
日本の近世城郭のお手本のようなお城で規模も大きく、「暴れん坊将軍」をはじめ、数々の時代劇の撮影に使用されているほど。
街道の要所である姫路城は西国大名の監視という役割も担っており、非常に大規模でありながら細部にまで計算された守りの堅いお城です。
実戦が強く意識されたお城でありながら、姫路城は戦争、災害、火事などの被害をほとんど受けず、彦根城同様非常に良い状態で多くの建物が残されており、世界中から観光客が訪れる日本屈指の観光名所になっています。

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大和郡山城(奈良県)
豊臣秀吉の弟・秀長が治めたことで知られるお城。
松永久秀を滅ぼした筒一順慶が築城し、秀長が大幅に改修。
江戸時代に入ると、郡山藩主の水野氏、松平氏、本多氏、柳澤氏が治めました。
天守については天守台が残るのみですが、門、櫓などの一部が復元されており、見ごたえがあります。
桜の名所としても知られていて、「大和郡山お城まつり」の時期には地元の方や観光客が多く訪れるそうです。
まとめ
近畿地方の名城をご紹介しました。
その地域の歴史や文化が凝縮した建築物であるお城には、非常に多くの魅力があります。
次のお休みは、各地の名城へ旅行に行ってみませんか。