それぞれの地域の歴史や文化が詰まっているお城。
観光地として整備されているところも多く、旅行の際に立ち寄ることも多いのではないでしょうか。
なんとなく写真を撮って終わり、という方もいらっしゃるかもしれませんが、お城は事前に歴史や見どころを知っておくと、何倍も楽しく観光できます。
本記事では、北陸・東海地方の名城をいくつかピックアップしてご紹介していきたいと思います。
北陸・東海地方の名城
北前船などの流通の拠点として栄えた北陸と、戦国の三英傑を輩出した東海地方。
人や物が集められ、さまざまな地域の文化が混ざり合って独自に発展していった地域です。
そんな華やかな文化の集大成ともいえるのがこの地域のお城です。
ここからは、北陸・東海地方の名城を一つひとつ見ていきましょう。
東海地方
名古屋城(愛知県)
「尾張名古屋は城で持つ」とまで謳われた名古屋のシンボル。
御三家のひとつである尾張徳川家が治めたお城です。
シンプルな構造でありながら随所に御三家としての威厳を感じさせる、近代城郭を代表する名城。
天守や本丸御殿は再建されたものですが、東西の隅櫓や門は江戸時代に建てられたものが保存されています。
犬山城(愛知県)
数少ない現存天守を有し、国宝にも指定されているお城。
名古屋の中心地からは少し離れていますが、愛知県に訪れた際にはぜひ足を運んでおきたい人気の観光スポットです。
天守の最上階に廻縁と高欄があり、外に出てぐるりと一周できるようになっています。
風情ある城下町の観光には近年おしゃれなカフェも多くでき、若い世代からも人気を集めているそうです。

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清州城(愛知県)
本能寺の変の後、織田信長の後継者を決める「清須会議」が行われたことでも知られているお城。
織田信長が若いころに居城としていました。
信長の時代の清州城は砦や館のようなものでしたが、その死後に息子・信雄が総構えの立派な城郭を築き清州は尾張の中心として栄えます。
しかし、江戸時代に入り名古屋に尾張の中心都市としての機能を移す、いわゆる「尾張越し」によって、政治・経済・文化の中心地としての清州はその役割を終えました。
復元された天守には、信長を中心に清州城やそれにまつわる人々に関する展示がなされています。
駿府城(静岡県)
徳川幕府の祖である徳川家康が少年期や晩年を過ごしたことで知られているお城。
今川家の人質となっていた多感な青春時代と、嫡男・秀忠に将軍の座を譲った後のいわゆる大御所政治を行っていた時代で、どちらも家康の人生において非常に重要な時期であったと言えるのではないでしょうか。
現在の駿府城の基礎は家康の晩年に整備されたもの。
駿府城は今でも家康のお城として地元の人々に親しまれています。
岐阜城(岐阜県)
織田信長が天下布武の足掛かりとして築いたお城。
かつては稲葉山城と呼ばれ、「美濃のマムシ」と呼ばれた斎藤道三が治めていました。
「岐阜」という地名は、入城にあたり信長が付けたものです。
「楽市楽座」や「兵農分離」などの画期的な政策を用いて城下町を育て、天下統一への道を歩んでいった信長。
お城の在り方についても後の時代に大きな影響を及ぼしており、岐阜城は戦うための中世城郭から政治の拠点としての近世城郭への転換点に当たるお城だとも言えます。

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北陸地方
金沢城(石川県)
加賀藩主・前田氏が治めたお城。
「加賀百万石」の政治・経済・文化の中心となった金沢は、京都にも匹敵するほどの華やかな武家文化・町人文化が育ちました。
主だった建物はなくなってしまっていますが、日本三名園のひとつである兼六園や江戸時代に建てられた石川門などが残されており、国内外から多くの観光客が訪れます。
丸岡城(福井県)
こちらも天守が現存しており、国の重要文化財に指定されているお城。
戦国時代に織田信長の重臣であった柴田勝家が築城したことで知られるお城です。
豪雪地帯にあるため、天守の屋根は石瓦で葺かれています。
昭和に起きた福井地震で天守が倒壊してしまいますが、可能な限り元の部材を使用して再建されました。
現存する天守のなかでもかなり古い時代に築城された部類に入り、野面積みという非常に高度な技術を要する石垣を見ることができます。
一乗谷城(福井県)
かつて越前を支配した浅井氏が治めていたお城。
地形をうまく利用した守りの堅い山城で、越前の中心地として小京都と呼ばれるほど発達していました。
一族が織田信長に滅ぼされてからは廃城になりましたが、発掘調査が進められ、戦国時代の山城を代表する重要な城郭として研究が進められています。
また、一乗谷城には「復原町並」と呼ばれる、戦国時代の城下町を再現したエリアがあり、あまりお城に詳しくないという方や子どもも楽しく観光することが可能です。

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まとめ
北陸・東海地方の名城をご紹介しました。
その地域の歴史や文化が凝縮した建築物であるお城には、非常に多くの魅力があります。
次のお休みは、各地の名城へ旅行に行ってみませんか。