温暖な気候が特徴の高知県。
太平洋に面し、海の幸が豊富に獲れます。
特に「カツオのたたき」は全国的にも有名な、県を代表する郷土料理。
山の幸や肉類、ご当地B級グルメなども充実しています。
旅の思い出作りと一緒に、その土地の美味しいものも食べておきたいもの。
本記事では、高知県の食文化やご当地グルメについてご紹介していきたいと思います。
太平洋に面し、山に囲まれた自然豊かな場所
四国最大の面積を誇る高知県。
大きく太平洋に面し、県土の8割以上を山地が占める自然に恵まれた土地です。
かつては土佐国と呼ばれ、幕末期には坂本龍馬をはじめとする数々の英雄を輩出しました。
高知県の特筆すべき食文化のひとつに、「おきゃく」と呼ばれるものがあります。
土佐弁で宴会を指す言葉で、高知県では神事やお祝い事など、折に触れてみんなで集まり、「おきゃく」を催すのだそう。
その際に振る舞われるのが「皿鉢(さわち・さはち)料理」。
刺身、寿司、煮物、甘味などを九谷焼などの美しい大皿に隙間なく盛り付けたもので、地域や家庭によってそのラインナップは異なります。
飲食店などでも提供されていることがあり、基本的には大人数で囲む料理ですが、中には一人前の量を盛ったものを用意しているところもあるそうです。
高知県に訪れた際にはぜひ食べてみてください。
ほかにも、海の幸、山の幸をはじめ、ご当地B級グルメなど、さまざまな美味しいものがあります。
ここでは高知県の食文化やご当地グルメを、ジャンルごとに見ていきたいと思います。
海の幸
まずは高知県の海の幸から。
高知県と言えば「カツオのたたき」。
三枚におろしたカツオを藁焼きにして塩やタレを付けていただくというシンプルな郷土料理です。
由来には諸説あって、漁師が船上で賄として食べていたという説、江戸時代に食中毒が流行ったことから生食が禁じられたという説、明治時代に外国人をもてなす際に肉の代わりにカツオを半焼きにしたという説など様々ありますが、いずれにせよ「カツオのたたき」は高知県民に深く根付いています。
カツオの旬は3~5月ごろと9~11月ごろ。
春の初鰹はさっぱりとした味わいで、秋の戻り鰹は脂が乗っているのが特徴です。
たたき以外にも、ほぐしたカツオの身を醤油などで味付けしてご飯に混ぜ込んだ「鰹めし」、たたきと薬味を一緒くたにして巻き寿司にした「土佐巻」、内臓を塩辛にした「鰹の酒盗」など、さまざまなカツオ料理が楽しめます。
カツオの旬に合わせて高知県に旅行してみるのも良いかもしれません。
黒潮が流れる沿岸部ではカツオ以外にもさまざまな魚が水揚げされます。
カツオ同様にウツボを藁焼きにした「ウツボのたたき」、干物などで食べることの多いウルメイワシを新鮮な状態で生食にした「ウルメの漬け丼」、炊き立てのご飯にシラスをたっぷりと載せた「釜揚げちりめん丼」、先端が刀のように尖っていることから名づけられた「チャンバラ貝」など、高知県は海の幸の宝庫。
黒潮の恩恵を受けた豊かな食文化が育まれてきた土地なのです。
山の幸
続いては高知県の山の幸について見ていきたいと思います。
高温多湿で昼夜の寒暖差が激しい高知県の山間部では、お茶の生産が盛ん。
この地で古くから栽培されてきた「土佐茶」は香り豊かで苦みが少ないのが特徴です。
茶葉をお土産に購入するのはもちろん、ほうじ茶ソフトなどを食べ歩きするのも良いですね。
また、最後の清流と呼ばれる四万十川は、貴重な天然のウナギが獲れることでも有名。
高知県内には、身も皮も分厚く食べ応えのある四万十川のウナギを扱った名店がたくさんあります。
年々漁獲量が減っており、価格も上がっていますが、贅沢にウナギ料理を味わってみてはいかがでしょうか。
お肉
高知県は鶏肉と豚肉が有名。
土佐地鶏とアメリカのロードアイランドレッドを掛け合わせた「土佐ジロー」は全国的にも有名な高知県の地鶏。
卵肉兼用なので、卵も美味しくいただけます。
むね肉のたたきや卵かけご飯などが人気ですが、肉と卵を同時に味わうことができる親子丼もおすすめです。
「米豚」とも呼ばれる「四万十ポーク」も良く知られています。
その名の通り土佐のおいしいお米を食べて育った豚で、甘さがありながらもさっぱりとした味わいが特徴です。
とんかつ、角煮、しゃぶしゃぶ、生姜焼きなど、豚肉料理も味わってみてください。
ご当地グルメ
さいごは手軽に食べることができる高知県のご当地グルメをご紹介していきたいと思います。
まずは見た目のインパクト抜群の「味噌かつラーメン」。
名前の通りラーメンに味噌かつを載せたもので食べ応えがあります。
高知県のラーメン屋さんにはセルフのおでんがあるところが多いので、あわせて食べてみてください。
出前のラーメンが冷めにくいようにと考案された「須崎鍋焼きラーメン」も良く知られています。
ストレートの細麺で、アツアツのスープはどこか懐かしい鶏ガラ醤油ベース。
高知県出身のやなせたかしが考案した「なべラーマン」というキャラクターもいるそうです。