日本海と瀬戸内海に挟まれた兵庫県。
雪が多い日本海側と温暖で雨が少ない瀬戸内海側では、気候も食文化も大きく異なります。
明石市には標準時子午線が通っており、まさに日本の真ん中に位置する県です。
豊かな自然と幅広い文化が、地域によって特色ある食文化を育んでいます。
古くから程よく都に近く、開国後は神戸港での国際貿易も盛んであったことから、外部からの影響もうまく取り入れた郷土料理やご当地グルメがたくさん。
本記事では、兵庫県の食文化やご当地グルメについてご紹介していきたいと思います。
個性豊かな兵庫五国
兵庫県は、旧国名で言うと5つもの国が集まった県です。
県中央部に中国山地がはしっていることもあり、地域ごとに全く異なった特色を持っています。
個性豊かな兵庫五国は、風土、文化、歴史、そして食に至るまで、さまざまな魅力が詰まった国たちです。
ここでは兵庫県を、摂津エリア、丹波エリア、但馬エリア、播磨エリア、淡路エリアの5つの旧国名に従って分けて見ていきたいと思います。
摂津エリア
まずは、神戸を中心とする摂津エリア。
いわゆる阪神地区と呼ばれるエリアで、港町・神戸やそのベッドタウン、さらには大阪のベッドタウンとして機能しているところもあります。
国際都市として栄えた神戸には、異国情緒あふれる街並みが広がっており、特に元町の中華街での食べ歩きは神戸観光の定番になっています。
言わずと知れたブランド牛である「神戸牛」を使用したステーキや、国内有数の温泉地・有馬で獲れた「有馬山椒」も有名です。
洋食と日本の米食が融合した「そばめし」も神戸らしいご当地グルメと言えるかと思います。
また、伊丹や西宮、神戸は江戸時代には「下り酒」と称されもてはやされた酒どころ。
伊丹の方は江戸時代の後半になるとほとんど廃れてしまいましたが、西宮や神戸の沿岸部にある「灘五郷」という地域は、今でも全国的に有名な酒蔵が建ち並びます。
日本を代表する美酒は、食事のお供やお土産にも最適です。
丹波エリア
京都府と接する丹波エリア。
山間部に位置し、昼夜の温度差と年間を通しての寒暖差が激しいエリアです。
丹波篠山の「黒大豆」、「黒枝豆」や丹波栗など、山の幸を中心に農作物の栽培が盛ん。
「黒豆ごはん」や「栗おこわ」のほか、最近は黒豆スイーツや栗スイーツも話題。
また、この地域は猪の肉を味噌で煮込む「ぼたん鍋」を食べる習慣があり、冬の風物詩になっています。
鹿や猪を使ったジビエも人気です。
但馬エリア
日本海沿岸の但馬エリア。
豊かな自然に恵まれ、豪雪地帯としても知られているエリアです。
冬には特産品の「松葉ガニ」や「セコガニ」を目当てに、バスツアーや観光特急などで関西地方を中心に多くの観光客が訪れます。
内陸部は郷土料理の「出石皿そば」が有名。
小皿にひと口分のそばを盛って提供されるもので、自分が食べたい枚数だけ注文することができます。
一人前10皿くらいが目安です。
播磨エリア
世界遺産・姫路城や標準時子午線のまち・明石がある播磨エリア。
地元では「卵焼き」と呼ばれている「明石焼き」は、少しふんわりとしたたこ焼きを、ソースやマヨネーズをかけるのではなく、出汁にくぐらせて食べるご当地グルメ。
ガツンとしたソースの味とは違い、出汁のまろやかな味わいと粉もののもったりとした重量感、焦げ目の香ばしさなどのハーモニーが何とも言えません。
しょうが醤油で食べる「姫路おでん」や、甘い脂が特徴の「あなごめし」は姫路観光の定番です。
兵庫県ではおなじみの「いかなご」はこの地域の特産品。
甘辛く炊いた「いかなごのくぎ煮」は、兵庫県の春の風物詩です。
和洋が融合した、加古川の「かつめし」は、どこかレトロで懐かしい洋食の味わいがします。
淡路エリア
さいごは瀬戸内海最大の島・淡路エリア。
日本神話と関わりの深い地域としても知られ、島内にはパワースポットも多く存在します。
関西地方から気軽に旅行できるリゾート地としても人気のエリアです。
淡路島は玉ねぎや海苔の産地として知られており、サービスエリアにはお土産用の玉ねぎスープや味海苔が並びます。
特に玉ねぎスープは料理にも使えるので自分用に買うのもおすすめです。
特産の淡路牛を使用した「淡路島バーガー」も人気。
また鱧の産地としても知られ、特産の玉ねぎ、新鮮な鱧、豊かな出汁文化が結集した「はもすき」はこの地域ならではの郷土料理。
肉厚で脂が甘い鱧と甘辛いすき焼きの味わいがクセになる一品です。
真蛸の水揚げも盛んで「たこめし」が名物になっています。
自然豊かで農水産業が盛んな島の暮らしが食の随所に見られます。
まとめ
兵庫県の食文化やご当地グルメについてご紹介しました。
地域によって個性豊かな食文化を持つ兵庫県。
史跡や観光スポットも多く、観光で立ち寄る機会も多いかと思います。
兵庫観光の際には、ぜひその地域のご当地グルメも堪能してみてください。