伝統料理から博多ラーメンまで!食の宝庫・福岡県の食文化・ご当地グルメ

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伝統料理から博多ラーメンまで 食の宝庫・福岡県の食文化・ご当地グルメ

九州の玄関口にあたる福岡県。
古くから交易都市として栄え、現在も九州最大の都市である博多や工業地帯の北九州市を抱える全国有数の地方都市です。

そんな福岡県には、博多の屋台を中心に「博多ラーメン」に代表される屋台グルメや、海に面した土地柄を活かした郷土料理がたくさんあります。
出張で福岡県に訪れるため観光の時間が取れないという方も、食事くらいは福岡らしさを楽しみたいもの。

本記事では、福岡県の食文化やご当地グルメについてご紹介していきたいと思います。

古くから大陸との交易で栄えた貿易都市

関門海峡を挟んで本州の山口県と接し、玄界灘の先には朝鮮半島がある福岡県。
南東は大分県、西は佐賀県、南は熊本県と接しており、それぞれの県境に山地がそびえています。

古くから中国大陸や朝鮮半島との交易が盛んであったのも福岡県の特徴。
全国に先駆けた縄文時代の稲作の痕跡が確認されている板付遺跡の発掘などからも、早い段階からの大陸との交易の様子がうかがえます。

代表的な福岡グルメである「辛子明太子」も大陸との交易から生まれたもの。
プサンから下関に輸入されていた「明卵漬」を日本人向けに改良したものであると言われており、山陽新幹線の開通とともに全国に広がりました。

これら以外にも、福岡県は地域によって個性豊かな食文化が発達しています。
ここでは福岡県を、福岡エリア、北九州エリア、筑豊エリア、筑後エリアの4つに分けて見ていきたいと思います。

福岡エリア

まずは福岡天神を中心に個性的なご当地グルメが目白押しの福岡エリア。

福岡市内の屋台では実にさまざまなご当地グルメが知られているかと思いますが、その代表格と言えば豚骨ベースの「博多ラーメン」。
全国チェーン店も多数登場し、今では世界にも広く知られる博多名物となりました。

福岡はワンタン麺発祥の地であるとされていますが、福岡のラーメン屋さんでワンタン麺を注文すると一般的な醤油ベースのスープではなく、豚骨スープのラーメンにワンタンをのせて提供してくれるそうです。

「もつ鍋」や「水炊き」も博多の定番グルメ。
本来捨てられるような牛肉の部位をニンニクやニラが効いたスープで煮込んだ「もつ鍋」は、近年では低カロリーでコラーゲンが豊富であることから女性にも大人気。

鶏がらスープでぶつ切りにした鶏肉と野菜を煮込んだ「水炊き」は、今や家庭でも広く親しまれている県民のソウルフードです。

また、博多湾や玄界灘に面したこのエリアでは古くから新鮮な海の幸を利用した料理が食べられてきました。
足の速い生の鯖を贅沢に使った「博多の胡麻鯖」や、沿岸で獲れるエゴノリを加工した「おきゅうと」など、海洋都市・福岡ならではの郷土料理もおすすめです。

北九州エリア

さまざまなものづくりの工場が集結している北九州エリア。
かつて石炭を輸出するために開かれた門司港は、現在は戦前のレトロな建築物が保存されている観光スポットとして知られています。

レトロな雰囲気の中で食べる「焼きカレー」や、バナナのたたき売りにちなんだバナナスイーツが有名です。

鉄鋼が盛んであった八幡製鉄所付近では、肉体労働者たちの間で人気を博した「鉄なべ餃子」が名物。
餃子を焼く際の水分から生まれるパリパリの羽も「鉄なべ餃子」の魅力で、現在は鉄鍋での提供店のほかに、「八幡餃子」と称してお皿に乗せて提供するお店もあります。

かつてこのあたりにあった小倉藩を一時期治めた細川忠興も好んで食べたとされる「鯖の糠味噌炊き」は古くから親しまれている郷土料理。
糠味噌の発酵食品ならではの甘みと強い塩味が、脂の乗った鯖とよく合います。

この地域で飼育されている「小倉牛」もぜひとも味わっておきたいご当地ブランド牛。
赤身の味わいと肉質の柔らかさが特徴です。

筑豊エリア

かつて炭鉱のまちとして栄えた筑豊エリア。

筑豊炭田の関連遺産付近では、「炭たこ焼き」や「炭ソフト」など、石炭にちなんだ黒いグルメが販売されています。
なお、これらの黒色は竹炭を使用しており、身体にも良いそうです。

また、大分県との県境にある「英彦山(ひこさん)」は古くから霊山として知られ、出入りする山伏たちの保存食をもとにして作られたのが「柚子胡椒」。
先ほどご紹介した「もつ鍋」や「水炊き」にも欠かせない福岡県民の食卓を支える調味料です。

小倉と長崎を結ぶ長崎街道が通るこのエリアは、「シュガーロード」とも呼ばれる砂糖の流通経路でした。
その宿場町であった飯塚のあたりはお菓子屋さんがたくさんあり、昭和の東京オリンピックで一躍有名になった「ひよこ本舗吉野堂」の「銘菓ひよこ」も、もともとは飯塚のメーカーのものであったそうです。

筑後エリア

さいごは自然豊かな筑後エリア。
斜面を利用した稲作が盛んで、うきは市の「つづら棚田」は「日本の棚田百選」にも選ばれています。

日当たりの良い傾斜で栽培された「八女茶」は全国的にもよく知られているこの地域の名産。
甘みの強い品種で、特に玉露が有名です。

博多ラーメンよりも濃厚な豚骨スープを味わえる「久留米ラーメン」もこのあたりの名物。
九州各県のご当地ラーメンに多大な影響を与えました。

かつてウナギがよく獲れた柳川では、今もウナギ料理が名物。
タレを絡めたご飯と一緒に蒸した「鰻せいろ蒸し」はふわふわの食感が特徴です。

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