海の幸と柑橘類が豊富!愛媛県の食文化・ご当地グルメ

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海の幸と柑橘類が豊富 愛媛県の食文化・ご当地グルメ

四国地方の北西に位置する愛媛県。
穏やかな瀬戸内海とリアス式海岸になっている宇和海に面し、内陸部には四国カルストが広がる自然豊かな場所です。

みかんをはじめとする柑橘類や野菜の栽培が盛んに行われ、海辺では魚介類も豊富に獲れます。
温暖で穏やかな気候に恵まれた愛媛県では豊かな食文化が育まれてきました。

本記事では、愛媛県の食文化やご当地グルメについてご紹介していきたいと思います。

柑橘類・鯛と愛媛県

愛媛県と言えば「伊予柑」をはじめとする柑橘類を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
そのほかにも、みかん、不知火、かんぺい、せとか、清美などさまざまな柑橘類が栽培されており、特に甘みと酸味のバランスが絶妙なみかんは人気です。

お土産のゼリーやジュースはもちろん、新鮮な柑橘類を使用したスイーツは食べ歩きにもおすすめ。
松山市内にある「えひめ愛顔の観光物産館」にはみかんジュースが出る蛇口もあるので、ぜひ立ち寄ってみてください。

もうひとつの愛媛を代表するグルメと言えば鯛です。
黒潮が流れ込む宇和海は栄養豊富で、脂ののった美味しい鯛が育ちます。

愛媛県は鯛の養殖も盛んで、その生産量は日本一。
地元でも鯛料理が親しまれており、なかでも「鯛めし」は県を代表する郷土料理。

エリアごとに調理方法が異なり、東予エリアと中予エリアでは内臓を取り除いた鯛を丸ごと一匹土鍋やお釜で炊き込むのに対して、南予エリアでは漬けにした鯛の刺身を白ご飯の上に乗せて薬味とともにいただくそうです。

また同じ鯛の寿司でもエリアによって呼び方が異なり、東予エリアと中予エリアでは「いずみや」と、南予エリアでは「丸寿司」と呼ばれることが多いそう。
海や山の変化に富んだ地形が、エリアごとに特色のある食文化を育んできました。

ここからは愛媛県を、東予エリア、中予エリア、南予エリアの3つに分けて見ていきたいと思います。

東予エリア

まずは瀬戸内海に面した東予地方から。
鎌倉時代にはいわゆる海賊のような集団であった村上水軍が根城にしていたエリアで、豪快な海賊料理が楽しめます。

素焼きの法楽の上に小石を並べ、新鮮な魚を載せて蒸し焼きにした「法楽焼」は、その村上水軍が戦勝の際に食べたと伝わる郷土料理。
塩だけのいたってシンプルな味付けが、素材本来の旨みを引き出しています。

来島海峡の激しい波に揉まれた魚はどれも身が締まっていて、鯛のほかにもイワシ、鯖、フグなどを使用した個性豊かな海鮮料理が楽しめます。

今では全国的にフグ料理店でよく見かける「ふぐざく」も実は愛媛県が発祥。
新居浜市の料亭が考案したそうで、独特の食感とさっぱりとした味わいがお通しにぴったりです。

ご飯の上にチャーシューと目玉焼きを載せた「焼豚玉子飯」などのご当地グルメや、魚介系の上品な味わいが特徴の「今治ラーメン」も外せません。

中予エリア

県庁所在地である松山市を含む中予エリア。
かつては伊予松山藩15万石の城下町として栄えたまちで、現在も四国有数の大きな都市として機能しています。
夏目漱石の小説「坊ちゃん」の舞台にもなった道後温泉や俳人の正岡子規の出身地で有名な松山市は「文学のまち」でもあり、豊かな歴史と文化に育まれたエリアです。

お祝い事で振る舞われる「鯛そうめん」は、松山市を中心に県全域で食べられている華やかな大皿料理。
白、黄、赤、緑、茶の五色のそうめんの上に鯛の姿煮を載せ、錦糸卵、椎茸、薬味などをトッピングしたもので、年中通して食べることができます。

酢飯にその季節に獲れる魚を載せた「松山ずし」もお祝い事の際に食べ継がれてきたもの。
飲食店などで提供されているほか、家庭でも親しまれている人気の郷土料理です。

目の覚めるような緋色が特徴の「緋のかぶら漬け」はお土産にぴったりの松山名物。
着色料を使用しているわけではなく、赤かぶの一種である「ひのかぶ」を橙酢に漬けると自然に鮮やかな発色が生まれるそうです。

南予エリア

さいごは温暖な宇和海を挟んで九州と隣り合う南予エリア。
瀬戸内海とはまた違った種類の魚が獲れるエリアで、冒頭でご紹介した「鯛めし」をはじめ、県内のほかのエリアとはまた違った魅力的な食文化が根付いています。

地元では「フカ」と呼ばれているホシザメは瀬戸内海では水揚げされませんが、このエリアでは家庭でも親しまれている身近な魚。
淡泊な味わいとしっかりとした歯ごたえが特徴で、熱湯にさらした「フカの湯ざらし」は茹で野菜と一緒に「みがらし味噌」をつけていただきます。

「みがらし味噌」とは、麦みそに辛子や砂糖を練り込んだ甘辛味噌のこと。
おでん、かまぼこ、鱧の湯引きなどにつけて食べても絶品です。

夏に水揚げされる太刀魚も有名。
三枚におろして竹やゴボウなどに巻き付けて焼いた「太刀魚の竹巻き(八幡巻き)」は、家庭でも良く食べられているそうです。

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