高知県で毎年8月9日(前夜祭)、10日、11日(本番2日)、12日(後夜祭・全国大会)の4日間かけて行われるよさこい祭り。
色鮮やかな衣装を身にまとい鳴子を持った踊り子たちが舞い踊る南国土佐の風物詩です。
北海道のYOSAKOIソーランが成功したのをきっかけに、全国各地でオリジナルのよさこい祭りが行われるほど知名度も高く、バリエーションもさまざま。
近年では海外からの観光客も多く訪れる、国内でも有数の規模を誇るお祭りです。
本記事では、本場・高知県のよさこい祭りを中心に、その歴史や魅力などをご紹介していきたいと思います。
全国に広がる情熱のお祭り
世界的にも知名度の高い高知県のよさこい祭り。
他県でもよさこい祭りをまねたお祭りが開催されるほど人気が高く、ギネスブック登録されるなど海外からも高く評価されています。
基本的にはどの会場でも無料で見ることができ、飛び入りでも参加できる夏のカーニバルです。
本場・高知県では毎年8月に4日間かけて行われ、きらびやかな衣装の踊り子と多くの観光客でにぎわいます。
南国土佐の情熱を感じるよさこい祭りには、ぜひ一度参加してみたいもの。
ここでは、よさこい祭りとは何か、またよさこい祭りの魅力や楽しみ方について皆さんにお伝えしていければと思っております。
よさこい祭りの歴史
戦後の不景気に落ち込む高知県を何とかして盛り上げたいとはじまったのがよさこい祭り。
よさこい祭りの「よさこい」は、「夜さり来い(今夜いらっしゃい)」という古語が変化したものであると言われています。
「土佐の高知のはりまや橋で……」で始まるよさこい節は江戸時代の高知県のお座敷で唄われていた唄。
そのほか、高知県のさまざまな民謡が合わさってできたのが「よさこい鳴子踊り」です。
お隣の徳島県の一大イベントである阿波踊りに負けないくらいの話題性があるお祭りにしたいという人々の願いと、地元で受け継がれてきた民謡がよさこい祭りを生み出しました。
よさこい祭りは、ペギー葉山の「南国土佐を後にして」という歌とそれをもとに作られた映画に登場したのを機に一気に全国へ知られるようになります。
テレビ中継なども増え、さらに昭和45年(1970年)の大阪万博に出ると、海外にも広がりを見せます。
平成に入るとよさこい祭りと北海道民謡のソーラン節を掛け合わせたYOSAKOIソーランが大きな話題を呼びました。
それ以降、全国各地でよさこいを取り入れたお祭りが開催されるようになり、よさこい祭りは増々全国に定着していきます。
高知県のよさこい祭りでは前夜祭の花火や全国大会が定着するなど、さらに大規模なお祭りになりました。
よさこい祭りの6大要素
よさこい祭りは、基本的に民衆に受け入れられればどのような振り付けや衣装でも構わないとされています。
多種多様な踊りや格好を楽しむのもよさこい祭りの魅力です。
この項では、振り付けや衣装のバリエーションを楽しむための基礎知識である、よさこい祭りの6大要素について見ていきたいと思います。
鳴子
田畑に寄って来る鳥を追い払う道具として使われていた「すずめ脅し」がもとになっている鳴子。
基本的によさこい祭りの踊り子は鳴子を手に持つことがルールになっています。
踊りのチームごとにデザインもさまざまなので、ぜひ鳴子にも注目して観てみてください。
衣装
色鮮やかでデザインのバリエーションも豊富な衣装。
着物や法被をベースにしたシンプルな衣装から、外国の民族衣装にインスピレーションを得たものまでさまざまです。
華やかな衣装が踊り子の動きに合わせて翻るさまもよさこい祭りの見どころです。
演舞
実に多くの種類があるよさこい祭りの振り付け。
日本舞踊の系統を汲んだ正統派の振り付けから、使用する音楽に合わせてヒップホップやサンバなどの要素が取り入れられることもあります。
音楽
基本的に、よさこい祭りでは高知県の民謡から生まれた「よさこい鳴子踊り」をベースにした音楽に合わせて踊ることがルールになっています。
しかし、時代が下るにしたがって音楽も多様化。
古き良き祭囃子からバンドサウンド、ダンスミュージックまで、実に多種多様な音楽が使用されます。
高知県のよさこい祭りでは高知の民謡がベースとなっていますが、北海道のYOSAKOIソーランではソーラン節がベースになっているなど、他県で開催されるよさこい祭りでは、それぞれの地域の民謡を使用することが多く、各々その地域の強みをうまく活かした特色が出るのも面白いポイントです。
メダル
笑顔と元気が素敵な踊り子に送られるメダル。
特に小さな子どもが付けていると微笑ましく思えます。
地方車
踊りのチームの移動式の櫓のような役割を果たしているトラックのことを「地方車」と呼びます。
車体を派手に装飾することで知られており、ドライアイスの煙を吹き出すなど演出にまでこだわっている地方車も多いです。